研究課題/領域番号 |
11355026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長村 光造 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026209)
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研究分担者 |
黒川 修 京都大学, 工学研究科, 助手 (90303859)
酒井 明 京都大学, 工学研究科, 教授 (80143543)
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キーワード | 走査ホールプローブ顕微鏡 / 量子化磁束 / Bi2223テープ / 弱結合 / 高温超伝導体 / 磁界電流密度 / 磁束線格子 / イットリウム酸化物超伝導体 |
研究概要 |
ミクロンスケールの磁気に関する空間情報を得るため新たに構築した高分解能ホールプローブ顕微鏡は、ホールプローブ、接近・走査機構、エレクトロニクス、コンピューター、冷却装置の5つの部分から成り立っている。本2次元磁場分布測定システムの特性は(1)センサー感度:7.5μV/G(77K)、(2)最小測定可能磁場:約0.1G、(3)最大走査範囲:13×13μm^2(77K)、(4)空間分解能:1μmであった。さらに100μmの空間分解能をもつ低倍率のシステムも同時に整備した。Y123超伝導体薄膜を用いた観察結果は次ぎのようなものであった。4Gの磁場を印加しながらT=83Kまで冷却し試料を超伝導状態にした後の磁場分布の様子は4つのドット状のピークが観察され,そのピーク間の平均間隔は超伝導体の磁束格子の間隔2.4μmにほぼ一致した。この一つのドットを積分してみると、量子化磁束の値2.07×10^<-15>Wbの約90%となった。この結果から磁場のイメージでドット状に見えている部分は量子化磁束であると考えられる。この結果は本研究の目的である局所的な磁束分布、さらには電流密度分布を観察する実験的手法を確立したことを示すものであり、今後超伝導体中の量子化磁束線格子の観察を実施してゆく予定である。
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