研究課題/領域番号 |
11355033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 新 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60023157)
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研究分担者 |
渡辺 忠一 フロンティア・ラボ株式会社, 主任研究員
北川 邦行 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助教授 (00093021)
大谷 肇 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176921)
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キーワード | ダイナミック昇温熱分解 / 熱分解GC / 複合スペクトル検出 / フーリエ変換赤外検出装置 / エンジニアリングプラスチック / 異性体 / ワックス / 化学組成 |
研究概要 |
本年度は、従来の熱分解ガスクロマトグラフィー(Py-GC)の測定システムに、プログラム昇温の可能な熱分解装置、および液体窒素冷却捕集型の超高感度フーリエ変換赤外検出装置(FT-IR)を新たに導入して、著しく高性能化したPy-GCシステムを構成し、その基本特性を主鎖中にヘテロ原子を含む、種々のエンジニアリングプラスチックなどを試料に用いて検討した。その結果、新しく構築した測定システムは、従来のGC/MSを主たる手法とした、パイログラム上のピーク同定では、一義的な構造決定が困難であった、熱分解生成物中の異性体成分の同定に画期的な威力を発揮することが実験的に確かめられた。さらに、試料の加熱を徐々に行うプログラム昇温機能を活かして、シロキサン系難燃剤などを用いた難燃化ポリマー材料の熱分解過程を詳細に解析した結果、それらの難燃化の発現機構を解明することもできた。 また、本手法の応用例として、動物系および植物系の各種ワックスのキャラクタリゼーションを試みた結果、FT-IRを用いて得られる各官能基別のパイログラムから、ワックスの複雑な構成成分を反映する分解生成物の詳細な帰属を行うことが可能となり、それらのピーク強度から、ワックス成分の化学組成を迅速かつ高精度に分析することができた。さらに、パイログラム上に観測される、ワックス由来の熱分解生成物のピーク強度をデータベースとして、統計的手法の1種である主成分分析を行うことにより、採取地の異なる天然ワックスの識別分析を行うこともできた。
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