研究課題/領域番号 |
11355034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森下 富士夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30026281)
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研究分担者 |
小山 宗孝 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (90221861)
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 所長(研究職)
岡崎 敏 福井大学, 工学部, 教授 (40025383)
ミケレット ルジェロ 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314244)
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キーワード | 近接場パルス励起分光分析法 / ナノスケール表面元素分析装置 / 表面ナノキャラクタリゼーション / 二段収束円筒型エネルギー分析計 / 極真空紫外光電子分光法 / 作動排気型電子振動型He光源 / 二次元元素組成マッピング / 走査型レーザTOF二次元表面質量分析計 |
研究概要 |
材料表面のナノスケール局所場での化学組成や化学結合状態に関する情報を測定・解析し、材料表面のナノスケールキャラクタリゼーション法を確立することは、先端材料の物性や機能発現機構を解明し、さらに新規高機能材料を創製する上できわめて重要である。 本年度は、前年度に開発した電子振動型He放電管による極超短波長真空紫外励起光電子分光表面分析法についての詳細な基礎検討を行った。本放電管は直流高圧放電管であり、低Heガス圧での安定放電が得られる特色があるが、超高真空測定用チャンバに装着するこどが困難であった。そこで、放電管と超真空測定チャンバとの間に差動排気用チャンバを設けて両者のマッチングをとることに成功した。本法の詳細な基礎データを収集するとともに、各種シリサイド表面の価電子領域の電子構造の測定・解析を行った。 次に、材料表面上の化学種組成の平面分布測定を行うために、走査型レーザTOF二次元マッピング表面質量分析装置の構築を行った。Nd : YAGレーザー(266nm)を石英窓を通して試料表面に対して45度の角度で入射・励起し、これにより脱離・イオン化された元素を垂直方向からTOF質量分析計で測定した。本法の特色の一つは、質量スペクトル上の4点の飛行時聞を指定すると、同時に4種類の化学種のマッピング像の測定が可能になることである。 本法の基礎検討として、銅微細メッシュ板を標準試料として表面二次元マッピング像を測定し、表面元素組成が正確にマッピングできることを明らかした。また、金、銀、銅、アルミニウム蒸着試料について測定を行TOF質量計の校正及び質量分解能の評価を行うとともに、表面局所領域の分子量測定及び二次元元素組成マッピングが可能であることを実証した。 今後、これらの表面分析法を結合し、またナノピペットによる励起光の超微小化による空間分解能の向上を図り、各種材料表面のナノレベルキャラクタリゼーション法を確立する。
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