水平型中性子反射率計の開発と高分子界囲のナノ構造解析

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11355037
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 山岡 仁史 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80026004)
• 研究分担者: 松下 裕秀 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60157302) ; 柴山 充弘 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00175390) ; 古坂 道弘 高エネルギー加速器研究機構, 物資構造科学研究所, 教授 (60156966) ; 松岡 秀樹 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40165783) ; 高原 淳 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (20163305)
• キーワード: 中性子反射率 / 高分子界面 / 高分子表囲 / 水面単分子膜 / 高分子融体 / ナノ構造

研究概要

高分子/高分子界面、水面上の高分子組織体、そして高分子融体表面のナノ構造が研究可能な水平型中性子反射率計を設計、製作し、高エネルギー加速器研究機構・物資構造科学研究所の中性子実験施設に設置した。設計性能は、試料-検出器間距離:1.8m、ビームサイズ:横50mm×縦可変、使用波長:0.5-4Å、qレンジ:0.008-0.6Å^-1、角度分解能:3-7%、ダイナミックレンジ:7桁であり、上記研究対象には十分な性能を確保した。また、スリットには、B4C(ボロンカーバイド)を用い、寄生散乱を極力抑えるとともに、エッジ部分には、設置部位に応じて微妙な傾斜角を付け、反射による迷光を防いだ。さらに、試料部のみならずスリットなど光学系一式を最新式のピエゾ式アクティブサス除振台上に設置し、試料水面の振動を防ぐとともに、光学系と試料部の相対位置が常に厳密に保たれるよう工夫した。また、本装置には23軸の可動部があるが、すべて外部よりコンピュータにて自動制御できるよう設計した。現在、本装置の作動および性能チェックを行っており、必要に応じて改良・改善措置を講じた後、来年度、試料測定を行う予定である。

研究成果

• [文献書誌] H.Matsuoka, H.Yamaoka et al.: "The Importance of Direct in situ Evaluation of Amphiphilic Polymer Monolayer, ---The Similarity and Difference between its Nanostructures on Water and on Substrate by X-ray Refelctivity and Atomic Force Microscopy"Largmuir. 15(12). 4298-4301 (1999)
• [文献書誌] H.Matsuoka, H.Yamaoka et al.: "Self-Assembly of Poly(1,1-diethylsilabutane)-block-poly(2-hydoxyethylmethacrylate) Block Copolymer 2. Monolayer at Air-Water Interface"Macromolecules. 32(19). 6088-6092 (1999)
• [文献書誌] M.Shibayama et al.: "Static Inhomogeneities and Dynamics of Swollen and Reactor-Batch Polymer Gels"J. Chem. Phys.. 112(1). 442-449 (2000)
• [文献書誌] Y.Matsushita , N.Torikai et al.: "Interfacial Structures of Triblock Copolymers and Their Chain Conformations in Bulk"J. Phys. Chem. Solids. 60. 1280-1284 (1999)
• [文献書誌] N.Torikai, Y.Matsushita, M. Takada et al.: "Interfacial Structures of Block and Graft Copolymers with Lame llar Microphase-Separated Structures"Physica B. (in press).