研究課題/領域番号 |
11356001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金澤 章 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30281794)
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研究分担者 |
池口 正二郎 ホクレン, 植物工学研究所, 主任研究員
浅野 真一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60222585)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | テンサイ / 害虫抵抗性 / ヨトウガ / 遺伝子導入 / cry / バイオアッセイ / 葉緑体 |
研究概要 |
テンサイ(Beta vulgaris L.)の代表的な害虫であるヨトウガ(Mamestra brassicae L..)幼虫は、栽培過程において茎葉を食害し、最終的な根重や可製糖量の減少をもたらす。ヨトウガ幼虫をはじめとする害虫に対する抵抗性のテンサイ品種を作る目的で、我々は、これまでにカイコ卒倒菌のもつ殺虫性タンパク質遺伝子cryIA(b)を導入したテンサイを育成してきた。その研究過程において得られた結果に基づき、本研究では、害虫抵抗性テンサイの実用化を念頭に、より強い殺虫活性を示す形質転換体を作製することを主な目的として研究を行った。具体的な方策として、第一に、さまざまなICP遺伝子を大腸菌において発現させることによって得られた毒素タンパク質のうち、ヨトウガ幼虫に対する殺虫活性が最も高かったcryICをテンサイに導入し、その効果を検証した。一方、細胞あたり多くのコピー数をもつ葉緑体ゲノムを対象とした遺伝子導入を行ったところ、より多くの殺虫性タンパク質を細胞内に蓄積し、害虫抵抗性作物の殺虫効果が向上したとの報告がされている。このことから、本研究では、より強い殺虫活性を示す形質転換体を作製するための第二の方策として、ICP遺伝子を葉緑体ゲノムへ導入し、葉緑体に殺虫性タンパク質を局在化させることを考え、テンサイの葉緑体ゲノム形質転換系の開発のためのベクター構築と選抜実験を行った。本研究では、さらに、ICP遺伝子に加えて有用な遺伝子をテンサイに導入することに成功し、その効果を検証した。また、植物細胞において外来遺伝子の発現を確実なものとすることを目的として、主に導入遺伝子の発現の安定性に関する植物の遺伝子発現の解析を行った。
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