研究課題/領域番号 |
11356002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮田 正 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20023476)
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研究分担者 |
永田 徹 茨城大学, 農学部, 教授 (40301816)
田中 利治 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30227152)
小林 迪弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
本山 直樹 千葉大学, 園芸学部, 教授 (20124662)
河野 義明 筑波大学, 農林学系, 教授 (10225386)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 殺虫剤抵抗性機構 / 逆相関交差抵抗性 / アセチルコリンエステラーゼ / 抵抗性のモニタリング / サイトクロームP450 / 天敵の保護 / 核多角体病ウイルス / ツマグロヨコバイ |
研究概要 |
1 殺虫剤抵抗性機構の解明・抵抗性害虫の機能解析 殺虫剤抵抗性機構の一要因である薬剤低感受性アセチルコリンエステラーゼ(AChE)について、ツマグロヨコバイ、コガタアカイエカなど各種害虫のcDNAをクローニングし、そのアミノ酸配列を明らかにした。その結果、殺虫剤抵抗性はポイントミューテーションノのみではなく、後修飾要因が関与していることが明らかとなった。ツマグロヨコバイのAChEの薬剤感受性を指標に、逆相関交差抵抗性を示す薬剤の組み合わせをスクリーニングし、逆相関交差抵抗性を示す殺虫剤の組み合わせを発見した。イエバエの有機リン剤抵抗性系統では、グルタチオン転移酵素(GST)活性が雄では雌に比べ著しく高く、雄決定因子が常染色体(第2)上に存在していること、またこの原因はGST遺伝子のコピー数が何らかの理由により増加したためと考えられた。また、シロイチモジョトウのピレスロイド抵抗性では、酸化酵素の関与が明らかとなり、CYP9A属のP450遺伝子が抵抗性に関わっていることが示された。 2 殺虫剤抵抗性に機能を利用した害虫管理に関する基礎研究 殺虫剤の抵抗性の簡易モニタリング法の開発は、野外個体群の薬剤感受性をリアルタイムで把握し、抵抗性対策を考える上で最重要課題である。殺虫剤抵抗性と関係のあるエステラーゼ、AChE, GSTを指標に、あるいはそれらの薬剤感受性を指標に、個体毎に薬剤感受性を測定する方法を考案した(イネウンカヨコバイ、イエバエ、イネミズゾウムシなど)。また、生化学的な手法が使えないような場合には、実用濃度による簡易な生物検定法を開発した(コナガ、ミカンキイロアザミウマ)。逆相関交差抵抗性を示す殺虫剤の利用の他、殺虫剤抵抗性天敵、あるいは選択制殺虫剤の利用による天敵の保護、あるいは、核多角体病ウイルスの利用などにより、有機合成殺虫剤による選択圧を減らし、抵抗性発達を遅延または抑制できることを示した。
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