研究分担者 |
和地 正明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90192822)
勝亦 瞭一 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60292257)
松下 一信 山口大学, 農学部, 教授 (50107736)
熊谷 英彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70027192)
中森 茂 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00254243)
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研究概要 |
冨田(北海道大学) : Corynebacterium glutamicumのH^+_-ATPase増幅株と野生株には顕著な培養特性の差は見られなかった.最大生育量及びグルタミン酸生産量は増幅株の方がやや高く,グルタミン酸生産期において増幅株は野生株より高い糖消費活性,呼吸活性,膜電位,細胞内pHを示した. 松下(山口大学) : C. glutamicum呼吸鎖で機能するNADH脱水素酵素ll(ndh)および末端オキシダーゼ・チトクロムd(cyd)の欠損株を作成し,その生育及びエネルギー代謝への影響を検討した.ndhの欠損株では,呼吸鎖のNADH及びNADPH酸化活性が共に失われていたが,その他の呼吸鎖成分に顕著な差は認められなかった. 勝亦(東北大学) : C. glutamicum(C.lactofermentum)にアラニン過剰合成能を付与する遺伝子はアミノ酸配列の相同性からトランスアミナーゼ(TA)であることが確認された.その遺伝子破壊株はL-アラニン要求性を示すことから,アラニン合成はこのTAのみによって行われることが判明した.また本遺伝子の増幅株は4.5倍のアラニン増産能を獲得した. 中森(福井県立大学) : C. glutamicum(Brevibacterium flavum)のシステイン代謝経路の解析を行い,本菌のcysteine desulfhydrase(CD)を同定し,CD欠損株によるシステイン生産について検討した.また本菌のserine acetyltransferase遺伝子を同定し,遺伝子産物の特性の解析を行った. 和地(東京工業大学) : C. glutamicumの細胞表層合成に関与すると思われる新規アミノ基転移酵素をコードするItsA遺伝子の機能を解析するために,ItsA-gfp融合遺伝子を構築した.LtsA-GFP融合タンパク質は,細胞表層,特に予定細胞分裂面に局在した. 熊谷(京都大学) : コリネ型細菌の一種,ビフィズス菌の特異的酵素,F-6-P phosphoketolase(F6PPK)のスクリーニング,精製と性質の解明を行った.また本酵素遺伝子のクローニングを行った.抗F6PPK抗体を作成し,ビフィズス菌や乳酸菌におけるF6PPKの分布を調べ,ビフィズス菌に特異的に存在することを示した.
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