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2000 年度 実績報告書

酵素による糖質の炭素環化を基軸とする持続可能な有機工業資源の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 11356004
研究機関東京工業大学

研究代表者

柿沼 勝己  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90092543)

キーワード糖質環化 / スーデオキシ-scyllo-イノソース合成酵素 / 機構依存的阻害剤 / 反応機構
研究概要

ブチロシン生産菌Bacillus Circulansから単離し、その遺伝子btrCのクローン化と大量発現系の構築に成功している糖質環化酵素2-デオキシ-scyllo-イノソース合成酵素(DOIS)を基盤に、バイオマス資源であるグルコースのDOISによる資源化と関連酵素による有用物質生産を目指し、DOISの詳細な検討と関連酵素の探索を行った。先ず、野生型DOISは41kDa(BtrC)と23kDaの二つのサブユニットからなるヘテロ二量体で前者に触媒機能があるが、後者23kDaサブユニットの機能を解明するため新たに同定したその遺伝子btrC2の破壊株を構築した。破壊株は野生株に比べ生育は遅く、また抗生物質ブチロシンを生産しなかった。btrC2遺伝子は一次及び二次代謝の両方に関与している可能性を示す。さらに、E.coliにてbtrC及びbtrC2を共発現させ、組み換えヘテロ二量体酵素を再構築した。BtrCホモ二量体と比べヘテロ二量体は野生型酵素に類似し、活性はやや低いが安定性に優れていた。DOISはデヒドロキナ酸合成酵素に相同性を示し進化的に近縁であるが、反応機構の相違を調べるためC-6位キラル標識グルコースを基質としてATPの存在下ヘキソキナーゼとの連続反応に附し、生成物DOIをNMRで解析して酵素反応の立体化学が異なることを明らかにした。さらに、ピラノース環酸素を置換したシクロヘキサン型基質類縁体を阻害剤として設計し、実際に時間依存的に阻害が生起する極めて強力な阻害剤であることを明らかにした。また、質量分析により酵素と阻害剤の間に共有結合が形成している可能性を見出すことが出来た。一方、より詳細な構造情報の取得を目指してBtrC二量体の結晶化を検討し、3種の条件下にて結晶が生成することを見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Katsumi Kakinuma: "An Expedition Chemo-Enzymetic Route form Glucose to Catechol by the Uose of 2-Deoxy-scyllo-inosose Synthase"Tetrahedron Lett.,. 41・[12]. 1935-1938 (2000)

  • [文献書誌] Yasumasa Ota: "Batirosin Biosynthetic Gene Cluster from Bacillus circulans"J Antibiotics. 53・[10]. 1158-1167 (2000)

  • [文献書誌] 柿沼勝己: "バイオマスを化学資源に-二次代謝酵素の可能性-"バイオサイエンスとインダストリー. 58・[12]. 39-40 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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