研究分担者 |
大石 正 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30112098)
市川 眞祐 三重大学, 生物資源学部, 教授 (40024559)
会田 勝美 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012034)
神原 淳 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90183334)
山森 邦夫 北里大学, 水産学部, 教授 (80012029)
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研究概要 |
1.水産有用魚種に自発摂餌を用いて,摂餌パターン,環境要因の影響,食欲中枢と生物時計,魚の健康状態,水質モニターへの応用,飼料選好性など,魚類の食欲とその制御技術に関して多様な角度から次世代給餌システムとしての研究を行った。 2.ニジマス小個体群を自発摂餌で飼育すると少数の優占魚が出現し,スイッチ起動を行うことが明らかになった。しかし,優占魚と,その他多くの非優占魚との間の成長に優位差は認められなかった(田畑)。反射型光ファイバーセンサーでマダイ・クロダイ・トラフグの稚魚を飼育することができた。また,朝夕・夜間の活発な摂餌活動が認められた(会田・古川)。ブリ2歳魚を網生簀飼育し,自発摂餌の速やかな学習と,薄明時および夜間の摂餌を明らかにした(日高・神原)。インターネットを介した自発摂餌ネットワークシステムを開発し,遠隔操作によるリアルタイムな摂餌制御を可能にした(市川・山下)。 3.ニジマスの神経伝達物質のニューロペプチド(NPY)の脳内局在を明らかにした。また,絶食により終脳のNPY細胞数および染色性が減少する傾向を見いだした(大石)。ヨーロッパスズキの脳内各部位のメラトニン受容体の日周リズムをラジオレセプターアッセイにより調べ,受容体密度は日周リズムを示さないが,親和性は部位特異的な日周リズムを示すことを明らかにした(飯郷)。 4.ティラピアのチッ素,リン,炭素の取り込み率は,自発摂餌区が定刻給餌区および定刻定量給餌区より良好,かつ環境水中への排出率が低かった。(延東)。アユを2尾ずつ飼育した場合は,個体間競争によるストレスのため死亡する可能性が高いことがわかった(山森)。 5.コイのマクロニュートリエント選択性に及ぼす水温と絶食の影響を検討し,17℃ではタンパク質及び脂質飼料の選択比率が炭水化物飼料より高く,25℃ではタンパク質飼料の選択比率が他の2飼料より高く,また,17℃のそれと比べても高かった。絶食による選択性に大きな変化はなかった(山本)。
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