研究課題/領域番号 |
11356007
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古在 豊樹 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90081570)
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研究分担者 |
本條 毅 千葉大学, 自然科学研究科, 助教授 (60173655)
星 岳彦 東海大学, 開発工学部, 助教授 (80219162)
蔵田 憲次 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
全 昶厚 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (90301093)
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キーワード | 閉鎖型 / 苗生産 / 人工光利用 / 植物工場 / 環境調節 / 高付加価値苗 / リサイクル / 生産管理ソフトウェア |
研究概要 |
平成12年度まで同課題に関する研究成果にもとづいて、閉鎖型苗生産システムの改良型を製作した。この改良型システムを用いて、高付加価値苗生産の環境調節技術の開発した。植物材料には、トマト、ナス、およびサツマイモを用いた。トマトについては、葉位8段目に第一花房を安定的に着生させるといった高付加価値化のための環境条件を確定した。さらに苗1本を生産するに必要な電力、水、CO_2などの量を詳細に計測し、システムのエネルギ収支、水収支およびCO_2収支を解析した。これらのエネルギ・物質収支解析にもとづき、最小の電気エネルギ・資源を用いて高品質苗の生産を行うための環境調節および生産計画を実現するための基礎資料を得た。そして、効率的な苗および増殖体生産を行う上で必要な、苗の成長・増殖のシミュレーションモデルを開発した。苗の成長・増殖モデルのパラメータ値の一部は、苗の2次元画像の3次元化装置からの非破壊画像処理により算定し、他方、破壊測定によって検証した。 その結果、苗1本を生産するために必要な電気エネルギ量を従来の数分の一に節減することが可能になり、現行の電気料金では、苗当たり1円程度にまで低下させられることを示した。さらに苗生産にかかわる必要水量は約1/15に低下し、また必要CO_2量は約1/3に低下した。このような結果から、本研究で提案された閉鎖型苗生産システムは実用化が可能であることが示された。現在、同課題の成果にもとづき、数社がその商品化を試みている。また、その開発は、農林水産省関連の技術開発補助金の対象課題ともなっている。
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