研究分担者 |
稲邑 清也 大阪大学, 医学部, 教授 (90203207)
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (10276181)
池田 俊昭 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (00184424)
大澤 昌彦 住友電気工業(株), 大阪研究所・バイオメディカル研究部, 主幹
原内 一 大阪大学, 医学部, 助手 (20243256)
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研究概要 |
いかに長く生きられるかの指標である平均寿命に代わり,長くなった寿命が,『心身に障害のない自立した期間』となるか,『疾病や障害に対する介護を必要とする期間』となるかでは,生活の質は大きく異なる。健康で自立して暮らすことができれば,より活動的で充実した生活を送ることができ,長寿がより実り豊かなものになる。現在,我国の平均寿命も健康寿命も,世界でトップクラスの長寿となっているが,年齢が高くなると,介護を要しないまでも,心身の機能に衰えがみられるようになることは否めない。一方,総理府「高齢期の生活イメージに関する世論調査」,「高齢者の健康に関する意識調査」結果によると,高齢期の生活に対する不安内容は『自分や配偶者が虚弱・病気がちになること』や『自分や配偶者が寝たきりや痴呆老人になること』で,高齢者の約半数が高齢期の体に不安を持っている。さらに60歳以上の半数が,『自宅での介護』を希望し,介護を頼む相手は,子供や配偶者,子供の配偶者など身内に期待する人が多い。 本研究では以上の点に鑑み,やや虚弱になった高齢者でも,地域・家族とのつながりの中で自立した生活を送ることができるように,住み慣れた地域・自宅で,それぞれの生活を支えるサービスを利用できる。また地域社会の中では,高齢者が介護を要する状態になることを予防する効果も持つことから,システムを施設側と患者宅側とに想定し,その間の情報伝送手段を一般電話回線やISDN回線,インターネットなどを利用した伝送実験を行っている。その際,患者情報の秘匿性を確保するため,VPN(Virtual Private Network:仮想閉域網)を用いた伝送方法の検討をも行えるように,システムのソフトウエアの開発に入っている。また,施設側ではシステム上で画像診断を行い,読影所見を作成し,患者の他の医用情報とも自動的に連結できるように,システムの開発を行っている。
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