研究課題/領域番号 |
11357006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80191394)
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研究分担者 |
沢田 哲治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50235470)
土肥 眞 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60222155)
三崎 義堅 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60219615)
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キーワード | T細胞レセプター / リンパ球 / レトロウィルス / T細胞クローン |
研究概要 |
我々は、T細胞レセプター(TCR)遺伝子に注目し、生体のリンパ球集団の中で実際に活性化され集積しているクローンを検出するシステムを確立した。そこで一つの細胞で使われているレセプター遺伝子の二つの全長cDNAの情報を獲得し、抗原特異性以外の機能を有するリンパ球亜分画の細胞に遺伝子導入すれば、実際に生体内で活性化され集積しているリンパ球と同一抗原特異性と機能を持った細胞を、試験管内で再構築できることになる。 本年度はまず、リンパ球内でのTCRの情報をペアリングする技術の確立として、浮遊単細胞を用いて、表面マーカーにより望ましい細胞をセルソーターにて分離し、その単一細胞からRNAを抽出し、注目しているTCRのα、β鎖を増幅し、さらにそれがリンパ球集団で集積しているクローンであることを確認する一連の技術的なステップが動きうることを見いだした。 次に高力価レトロウイルス産生細胞株として東大医科研の北村らによる新たに改変したPLAT-E細胞を使用したところ、マウス脾細胞に40%程度の高率に遺伝子が導入可能であることが判明した。これを用いて、すでに抗原特異性の判明しているTCRのα、β鎖を,マウス脾細胞に導入したところ、内在性のTCRにうち勝って細胞表面に発現し、試験管内および生体内で、抗原特異的なT細胞機能を発揮することが判明した。 以上のことから、本研究の最終目標である、抗原特異的免疫療法の確立に向けて技術的に大きく前進したと考える。
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