研究課題/領域番号 |
11357009
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
寺尾 恵治 国立感染症研究所, 筑波医学実験用霊長類センター, 室長
渋谷 和子 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00302406)
渋谷 彰 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80216027)
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キーワード | 造血幹細胞 / SP細胞 / レトロウィルスベクター / 子宮内胎児細胞移植 / サル / 遺伝子導入 |
研究概要 |
サル骨髄より造血幹細胞を分離する方法として、従来のから行われている抗CD34抗体結合磁気ビーズを用いた分離法、ならびに最近注目を浴びているHoechst 33342およびRhodamine色素を組み合わせたSide Population(SP)分画をFACSにて回収する方法を、それぞれ確立した。また、これら分離回収した未分化細胞への効率の良い遺伝子導入を可能にするため、3種類の異なったLTRを有するレトロウイルスベクター(GCsapMLV、GCsapMPSV、GCsapMCSV)やLTR内negative control regionを取り除き、primer binding siteをMLVのものからdl587ウイルス由来のものに変更したGCDNsapMSCVを作製した。同時に、パッケージング細胞株としてgibbon ape leukemia virus由来のenvelope(Env)を産生するPG13や、feline virus RD114由来のEnvを産生するRD18を使用することで、in vitroにおける造血幹細胞への遺伝子導入法の最適化を図った。現在のサルCD34陽性細胞への遺伝子導入率は90%を越える。次に、国立感染症研究所筑波医学実験用霊長類センターとの共同研究により、ブタ胎児において既に確立した超音波診断装置ガイド下での子宮内胎児細胞移植の手技をサル胎児(蟹喰いサル)に応用し、胎生140日前後(満期163日)の胎児臍帯より胎児血を採血し、IL-2、抗CD3抗体、ならびに抗CD28抗体にてin vitroで刺激したサルT細胞に外来遺伝子(enhanced green fluorescent protein)を導入し、二週間の培養後、再度超音波診断装置ガイド下で臍帯に移植する子宮内胎児細胞移植技法をほぼ確立することができた。
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