研究課題/領域番号 |
11357009
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
寺尾 恵治 国立感染症研究所, 筑波医学実験用霊長類センター, 室長
渋谷 和子 理化学研究所, 免疫アレルギー科学総合研究センター, 研究員 (00302406)
渋谷 彰 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80216027)
小野寺 雅史 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10334062)
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キーワード | 子宮内細胞移植 / 胎児遺伝子治療 / 造血幹細胞 / レトロウイルスベクター / カニクイザル |
研究概要 |
これまでにサル造血細胞へのレトロウイルスベクターを用いた効率良い外来遺伝子導入法を確立し、国立感染症研究所筑波医学実験用霊長類センターとの共同研究で、超音波診断装置ガイド下での子宮内胎児細胞移植のための手技の確立も行ってきた。サル胎児への移植は5度行われ、その結果のまとめを以下に示す。 1.症例は少ないながらも、超音波診断装置を用いたサル胎児の臍帯血の採取、ならびに細胞移植は比較的安全かつ確実に行うことができるようになった。 2.一部の症例でヒト細胞の生着を認めたがその頻度は低く、その理由として異種のバリアの高さが考えられた。今後は移植の時期のみならず、ヒトCD34陽性細胞に加えてヒトT細胞の導入など、カニクイザルの子宮内細胞移植法全体の至適化を考える必要がある。 3.遺伝子導入サル細胞による自家移植においてもヒト血液細胞の生着を認めなかった。この原因として、近年指摘されているように、サルにとって外来抗原であるEGFPの影響が考えられる。今後は抗原性の低い新たなマーカーの検討が必要である。 4.サルを用いた実験は概して症例数が少なく、これらの問題を解決していくためには、さらに数多くの症例を重ね、十分な基礎検討を行うことが必要と考えられた。
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