研究課題/領域番号 |
11357010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幕内 雅敏 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60114641)
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研究分担者 |
酒井 康行 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00235128)
高山 忠利 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30280944)
成瀬 勝俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50291323)
鈴木 基之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011040)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝臓 / 不織布充填型バイオリアクター / ブタ肝細胞 / 全血直接潅流治療 / 異種潅流治療 |
研究概要 |
平成11年度において、我々は、独自に開発した不織布充填型人工肝臓バイオリアクターにブタ肝細胞を固定化して、イヌ肝不全モデルに対する血漿分離器及び免疫グロブリン吸着除去装置を併用した異種分離血漿潅流実験を行った。その結果、以前行った同種全血直接潅流実験の方がモデルの生存期間、バイオリアクターの代謝能とも良好な結果が得られた。そこで平成12年度において、我々は、患者血液を白血球吸着除去装置及び免疫グロブリン吸着除去装置に通過させた後に、ブタ肝細胞を固定化したバイオリアクターに通過させる人工肝臓の異種全血直接潅流治療法を確立した(H12.3.22国内特許申請済み。H13.3月国際特許申請予定)。この方法により、異種全肝をそのまま人工肝臓システムに用いる全肝型と、バイオリアクターを用いるハイブリッド型の両方において、異種肝組織を用いつつ、潅流回路の通過障害を起こさずに理想的な潅流効率及び酸素供給を得ることができるようになった。そこで、大型遠心分離器を購入し、これまで以上のブタ肝細胞の大量調整を行ってハイブリッド型人工肝臓システムを作製し、イヌ肝不全モデルに対する異種全血直接潅流実験を行った。その結果、異種であっても、同種実験に匹敵するモデルの生存期間、バイオリアクターの代謝能を発揮できることが明らかになった。この実績に基づき、現在、さらに血液成分分離装置を併用して、潅流時間を延長し、かつ、患者の白血球減少などの副作用を軽減する方法を開発中であり、平成14年における学内倫理委員会への申請と、患者への臨床応用を目指している。
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