研究課題
基盤研究(A)
臨床応用に最適なシステムを目指し、手技的な議論を行うのに必要な術野像の画質を保ちつつ、どの程度までの画像情報の圧縮が可能であるか、経済効率の面も含め様々な動画像圧縮伝送システムを比較検討した。現在最も性能の高いの動画像・音声圧縮伝送システムを用いた場合、ISDN3回線の通信容量(384kb)で、毎秒30フレームで高画質を実現し、臓器の色調変化や質感などの微妙な情報もリアルタイムで確認ができる。高い音質の特殊な音響システムにより、術者も助手もマイクを意識せずに指導者と臨場感のある自然な会話をすることができる。画像情報圧縮伝送システムは高性能化とともに低価格化が進んでおり、また、通信回線料も、ATM技術を用いた光ファイバーによる高速・広帯域のマルチメディアサービスでは、従来の専用線よりも低いコストで大容量の通信を行うことがきる。手術指導においては、刻々と変化する手術状況に対応して適時に指示を相互に確認しながら指導することが重要でる。われわれは、タブレットへの手書き入力で、遠隔地から動画像上に様々な色を用いて線や文字を双方向かつリアルタイムに書き入れることができるアノテーション機能を共同開発した。この機能の導入により、遠隔手術指導が詳細かつ丁寧なものとなり、大きく実効化した。さらに、腹腔鏡把持ロボットを遠隔手術に導入し、指導医が遠隔地からロボットを操縦して術者に最適な手術視野を提供しつつ指導することを可能とするため、現在、音声情報を加工して、遠隔地においても全く同一の音声を再現可能なシステムを研究中である。
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