研究課題
基盤研究(A)
生体の同一被検体における骨密度の定量解析と3次元的骨形態の解析を経時的に可能とする高分解能マイクロフォーカスX線CTの開発・改良を目的とし次の様な研究を行った。【撮影条件と被爆線量と画質限界のトレード・オフの見極め】基準画像撮影時の被爆線量は従来比1/16〜1/50に低減したが、被爆線量目標値の110μSVとは12〜35倍の乖離があった。被爆線量をさらに軽減するため高感度型検出器を再検討した結果、高解像度(640×480ピクセル→2048×2048ピクセル)高濃度階調(10ビット→12ビット)検出器(デジタルフラットパネル)の採用を試み、撮影条件と撮影時間のトレードオフのテストを実施した。【ワーク固定型(X線管と検出器回転型)のX線CT装置の開発】被検体搭載台サイズ600mm×1000mmで、イヌ、サル、ウサギ等の生体を対象とする大型動物生体用X線マイクロCT装置の基本設計を完了した。【高分解能マイクロフォーカスX線CT用の3次元骨形態計測画像解析システムの構築】撮影時間の短縮化と3次元CT画像再構成の高速化を実現する為に、新たに高速CT3次元再構成方式(コーンビーム方式)を開発し、それを3/1.8インチ高感度検出器を搭載した骨組織無観血的高分解能形態解析システムに取り入れた。【骨体積密度(皮質骨&海綿骨)の測定と評価システムの確立】皮質骨等価物質よりなる体積密度既知のファントムと海綿骨等価物質よりなる体積密度既知のファントムを複数組み合わせることにより、皮質骨が海綿骨CT値に与える影響を定量的に数式化することが可能となり、海綿骨部の絶対体積密度を正確に得ることができた。【新規開発した高分解能マイクロフォーカスX線CT装置の応用】卵巣摘出によって生じるサルの顎骨の変化、ビタミンD投与したマウスの骨格の変化、Gli遺伝子欠損マウスの骨格異常などを明らかにし、日本骨代謝学会、アメリカ骨代謝学会などにおいて報告した。
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