研究課題/領域番号 |
11357017
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 俊文 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20028731)
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研究分担者 |
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
岩田 幸一 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60160115)
神田 健郎 東京都老人総合研究所, 生理, 主任研究員 (50009635)
山田 好秋 新潟大学, 大学院・歯学総合研究科, 教授 (80115089)
増田 裕次 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (20190366)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 咀嚼 / ノルアドレナリン / ドーパミン / 疼痛 / 炎症 / 軟食 / ウサギ / ラット |
研究概要 |
本研究は、咀嚼、嚥下等の口腔機能の加齢に伴う変化がいかなる中枢神経系の変化によってもたらされるか、あるいは加齢に伴う中枢神経系における感覚情報処理の変化を知ることにより、口腔の健康維持に役立てようとするものである。これらの研究結果は以下のようにまとめることができる。 1.老化により減少が明らかとなっている脳幹部のノルアドレナリンあるいは線条体のドーパミンが咀嚼に関与しているかどうかを調べた。ノルアドレナリンは三叉神経運動ニューロンの膜電位を上昇させ興奮性を高めることが明らかとなった。ウサギ被殻へのドーパミン入力は咀嚼運動に関係して変化しており、特に取り込み運動に関係していることが示唆された。 2.老化による痛覚に対する感受性を調べると、老化に伴い侵害刺激に対する二次ニューロンの興奮性は亢進しており、このことは下行抑制系の機能不全によることが示唆された。 3.老化による炎症時の感覚刺激に対する感受性を調べた。老齢ラットは若年ラットに比べて、炎症時の侵害性熱刺激に対する感受性が亢進していることを明らかにした。また、機械的刺激に対する反応性には、老齢ラットと若年ラットでは相違が認められなかった。炎症時にみられる感覚神経の過敏化は、加齢によって変化することが示唆された。 4.加齢に伴う口腔機能の低下が全身にもたらす影響を調べた。加齢に伴い口腔あるいは全身的な疾患により、軟らかい食品しか摂食しえない場合を想定し、実験的に軟食を続けた場合(軟食群)と、軟食を続けてから硬い食品を与えた場合(硬食群)に炎症による痛みに対する感受性に変化が認められるかどうかを調べた。起炎物質を足底皮下に注入後にみられる疼痛閾値低下は、軟食群に比べ硬食群で有意に抑制された。
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