コミュニティ情報流通プラットフォームの構築

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11358004
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20252489)
• 研究分担者: 西田 豊明 東京大学, 工学系研究科, 教授 (70135531) ; 中西 英之 京都大学, 情報学研究科, 学振特別研究員 ; 八槇 博史 京都大学, 情報学研究科, 助手 (10322166) ; 新保 仁 茨城大学, 工学部, 助手 (90311589)
• キーワード: コミュニティ / 情報流通プロトコル / インタラクション記述言語 / Webリンク構造解析 / 知識共有支援 / 連想表現 / 知識ベース / 着用型コンピュータ

研究概要

(1)コミュニティ知識共有支援システム(東京大学)
個人知識端末と,コミュニティ知識ベースについて,プロトタイプ試作と評価による研究を行った.個人知識端末については,従来から試作・改良を重ねてきた連想表現を用いた情報ベースCoMeMoを発展させて,音声・ペン入力機能をもつ個人知識端末を研究開発した.この個人知識端末を市販の携帯型PC上に実装して,個人知識収集支援の評価実験を行った.また,着用型コンピュータ上に知識を用いた交渉支援システムを試作し,いつでもどこでも情報の発信と利用ができる環境の試作と評価を行った.コミュニティ知識ベースについては,個人知識端末から発信される情報を統合して,メンバー間の知識の相互関係を動的に表示する機能を分身エージェントという枠組みを用いて実現し,評価を行った.
(2)コミュニティ情報流通プロトコル(京都大学)
情報流通エージェント:コミュニティネットワークにおける情報流通をモデル化するシミュレータをプロダクションシステムをベースにして開発した.国際会議PRIMAにおける情報流通の観測データをもとに学術コミュニティ内における論文情報の流通プロトコルを記述し,その分析結果をもとに新しいエージェント間インタラクション記述言語の仕様を設計した.
コミュニティ情報流通の解析:従来提案されていたHITSアルゴリズムに基づいてWebのリンク構造を解析し可視化するツールを開発した.ツールを様々なドメインに適用することで,従来手法をコミュニティ発見に用いる際に生じる問題点を解析した.その解析結果を元に,新しいリンク解析アルゴリズムの開発を行った.

研究成果

• [文献書誌] Toyoaki Nishida 他: "Exchanging Tacit Community Knowledge by Talking-virtualized-egos"Proceedings of Fourth International Conference on Autonomous Agents (Agents2000). 285-292 (2000)
• [文献書誌] Toyoaki Nishida: "Towards Dynamic Knowledge Interaction"Proceedings of Fourth International Conference on Knowledge-Based Intelligent Engineering Systems & Allied Technologies (KES2000). 1-12 (2000)
• [文献書誌] Toyoaki Nishida 他: "Constructing and Sharing Everyday Memory for Community Knowledge Coevolution"Proceedings of Fourth International Conference on Knowledge-Based Intelligent Engineering Systems & Allied Technologies (KES2000). 76-79 (2000)
• [文献書誌] 西田豊明: "コミュニティの知識創造を支援するインタラクティブなメディアをめざして"情報処理. Vol.41,No.5. 542-546 (2000)
• [文献書誌] Toyoaki Nishida 他: "EgoChat Agent : A Talking Virtualized Member for Supporting Community Knowledge Creation"Proceedings of the AAAI Fall Symposium "Socially Intelligent Agents-The Human in the Loop". (採録決定). (2000)
• [文献書誌] Toyoaki Nishida 他: "連想表現と分身エージェントを用いたコミュニティにおける知識共有支援"人工知能学会論文誌. Vol.16,No.2. 225-233 (2001)
• [文献書誌] 石田亨 他: "コミュニティ情報流通プラットフォームの構築"第9回マルチ・エージェントと協調計算ワークショップ(MACC2000). (2000)
• [文献書誌] 石田亨 他: "情報ナビゲーションへの連想ルールの適用"電子情報通信学会「ソフトウェアエージェントとその応用」特集ワークショップ(SAA2000). 165-173 (2000)
• [文献書誌] 石田亨 他: "情報ナビゲーションへの連想ルールの適用"電子情報通信学会和文論文誌DI「ソフトウェアエージェントとその応用」特集号. (採録決定). (2001)
• [文献書誌] Toru Ishida 他: "Cooperative Information Agents for Digital Cities"International Journal of Cooperative Information Systems. Vol.10No.1&2(採録決定). (2001)
• [文献書誌] 石田亨 他: "ドメイン指向Web検索のためのドメイン判別ブール式の抽出"2001年度人工知能学会全国大会(第15回). (採録決定). (2001)
• [文献書誌] 石田亨 他: "インターネットにおけるアイデンティティの国際比較"電子情報通信学会論文誌D-I. Vol.J84,No.2. 222-231 (2001)
• [文献書誌] 石田亨 他: "ハイパーリンク構造解析からウェブコミュニティは抽出できるか"日本社会情報学会関西支部研究会(第4回). 25-32 (2000)
• [文献書誌] 石田亨 他: "リンク構造の可視化によるHITSアルゴリズムの分析"2001年度人工知能学会全国大会(第15回). (採録決定). (2001)
• [文献書誌] 石田亨 他: "インタラクション設計言語Qの開発"2001年度人工知能学会全国大会(第15回). (採録決定). (2001)
• [文献書誌] Masashi Shimbo 他: "Towards Real-Time Search with Inadmissible Heuristics"European Conference on Artificial Intelligence (ECAI-2000). 609-613 (2000)
• [文献書誌] 石田亨: "巻頭言:エージェント三原則"人工知能学会誌. Vol.15,No.6. 939 (2000)
• [文献書誌] 吉田和男,石田亨: "経済学者と計算機科学者の対話"コンピュータソフトウェア. Vol.17,No.5. 2-10 (2000)
• [文献書誌] 溝口理一郎,石田亨 共編: "人工知能(新世代工学シリーズ)"オーム社. 168 (2000)