研究課題/領域番号 |
11358007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大橋 弘士 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20001315)
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研究分担者 |
香西 直文 日本原子力研究所, 東海研究所・環境安全研究部, 研究員
小崎 完 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60234746)
佐藤 正知 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40117122)
加藤 博康 三菱マテリアル, 環境エネルギー研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 放射性廃棄物 / モンモリロナイト / 収着 / 拡散 / 地層処分 |
研究概要 |
放射性廃棄物の地層処分の安全評価を行う上で、緩衝材として用いられる圧密したベントナイト中の放射性核種の収着や拡散現象に関する理解が求められている。そこで本研究では、それらの現象に影響を及ぼす因子の一つと考えられる粘土の微細構造に着目した検討を行った。まず、モンモリロナイト試料(ベントナイトの主たる構成鉱物)の微細構造を、種々の分析方法によって詳細に調べるとともに、圧密・含水したモンモリロナイト中のHTO、Np(V)、Cs^+、Cl^-およびCa^<2+>イオンならびにHeガスの拡散係数を測定した。この結果、モンモリロナイト粒子を形成しているモンモリロナイトのシートは、粒子サイズが異なっていてもほぼ同じであること、拡散係数は粘土粒径の影響を受けていることを明らかにした。また、Cs^+イオンの拡散係数に及ぼす粒子形状の影響は、HTOおよびCl^-イオンのそれと逆転しているなど、イオンはモンモリロナイト粒子間の細孔中の水を拡散するとした従来のモデル(「細孔拡散モデル」)では説明できない現象を見出した。さらに、Np(V)、Cl^-およびCa^<2+>イオンに対して拡散の活性化エネルギーを求めた結果、活性化エネルギーがモンモリロナイトの層間距離と密接に関連していることを明らかにした。これもまた、従来の拡散モデルでは説明できない現象であった。同様に、Na型モンモリロナイトに珪砂を添加した系でのNa^+イオンの見かけの拡散係数および拡散の活性化エネルギーを求めた結果、Na^+イオンの拡散には表面拡散の寄与が大きい可能性が示唆された。一方、Na型モンモリロナイト層間の交換性陽イオンをFe^<2+>イオンに置換させた試料ならびにその試料を大気中で酸化させた試料を調製し、それらの特性評価を行うとともに、SeおよびNpの収着実験を行った。実験の結果、交換性陽イオンの変化に伴う収着係数の増加が認められた。
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