研究課題/領域番号 |
11358010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三枝 正彦 東北大学, 大学院・農学研究科・附属農場, 教授 (10005655)
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研究分担者 |
渡邊 肇 東北大学, 大学院・農学研究科・附属農場, 助手 (10292351)
鳥山 欽哉 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20183882)
木島 明博 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50161451)
太田 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00005670)
清和 研二 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
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キーワード | 里山 里地 / 中山間地 / GPS / GIS / 水稲栽培 / 棚田 / 食糧生産 |
研究概要 |
我が国耕地の40%を占める中山間地域は食糧生産基地として重要であるが、これに加えて、貯水機能、洪水防止機能、保険涵養機能、遺伝子資源保存機能などの多機能性を有し、この地域の耕地生態系である里山、里地の二次的自然環境を守ることは下流域に所在する都市部、平坦地の環境を維持する上で重要である。この二次的自然環境を維持するには農家経営の健全な持続が必要であり、そのためには単なる保全ではなく、先端的かつ実践的生物生産・管理技術の開発が不可欠である。本研究では林地-草地-畑地-水田生態系の個々の生産技術の解明と共に、複合生態系としての総合化、システム化を図ろうとするものである。本年度に得られた成果は次の通りである。1)河畔林を構成するヤナギ類の雌雄性、個体サイズ、生育立地などの河畔林保全のための基礎的知見を明らかにした。2)林地を含む大規模放牧地ではGPS,GISを利用した放牧牛の行動に基づく合理的管理方式を検討した。3)家畜糞のコンポスト化と農地への還元上の問題点を検討しリン酸成分としては大部分が無機態であるという新知見を得た。4)付加価値作物ブルーベリーの遺伝子工学的品種判別法を考案した。5)棚田方式における淡水魚を飼養する一筆の昇温効果と連携水田の潅漑水のケイ酸推移、および深水の保温効果を明らかにした。6)水田生態系の有効利用のために水性作物のカタログ化を試みた。7)遺伝子工学的手法で、根毛増大遺伝子および天然除草剤耐性遺伝子組換え水稲を作出した。8)中山間地の農業経営の実態調査を行うと共に、農村風景の存在価値をPC上の画像評価法で検討し直接所得保障の根拠を検討した。9)これらの成果を踏まえ、里山、里地の二次的自然環境の維持保全のための方向性を検討した。
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