研究課題/領域番号 |
11410005
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 錬太郎 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40196291)
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研究分担者 |
野村 真紀 北海道大学, 法学研究科, 助教授 (80271617)
渡辺 浩司 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (00281840)
田村 加代子 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (80233120)
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キーワード | 従容録 |
研究概要 |
日本の思想に大きな影響を与えた禅籍として、『碧巌録』と並び称される『従容録』を取り上げて、主要な版本を比較してテキストを校訂し、かつ特殊な褝の用語や口語語彙、語法、及び独特の論理構造について解明するために、平成12年度は、平成11年度に引き続き、禅学関係書籍及び中国中世近世の口語解読用の工具書について調査及び収集に努め、研究条件を改善した。 また、調査に機動性を持たせるため、ノート型パソコンを1台導入し、研究作業の能率化を図った。現在、大学院生の協力を得て資料データの入力を継続中である。研究成果として、研究代表者は、「禅語録に見える口語表現への語学的アプローチ」(末木文美士編『現代語訳 碧巌録』岩波書店、平成13年3月)と題する解説を著した。さらに研究代表者は、禅の語録が江戸時代の武道理論に大きな影響を与えている事実に鑑み、沢庵宗彭『不動智神妙録』に着目し、『従容録』との関わりを明らかにし、「剣禅一如・沢庵『不動智神妙録』を読む」と題する連載を平成12年度の『剣窓』(全日本剣道連盟広報誌)に公表した。 『従容録』に関しては、研究代表者及び研究分担者は、共同して第五則以降の読み合せ作業を継続し、その語彙・語法上の特徴と思想内容について理解を深めつつある。研究分担者の古注に関する調査と平行して、全員で現代語訳と注の作成に取り組んでいるが、まだ訳注を確定する段階には到達しておらず、各自の用意した訳稿を吟味中である。
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