研究課題/領域番号 |
11410010
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
篠 憲二 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20086119)
|
研究分担者 |
川本 隆史 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40137758)
野家 啓一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40103220)
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
長谷川 公一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00164814)
座小田 豊 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20125579)
|
キーワード | 環境倫理 / 哲学的人間学 / 所有 / 景観 / 風土 / 空間 / 身体 / 現象学 |
研究概要 |
本研究は、英語圏の社会運動を背景とする環境倫理学の実践と1920年代のドイツで開花した哲学的人間学の理論的蓄積とを相互に突き合わせることにより、環境倫理学の哲学的再編成を図るものであり、とくにその組み替えの基軸概念として「所有」に注目するところに特色を有している。 二年目にあたる本年度は、一年目の成果を踏まえて研究代表者および分担者が緊密な連携のもとに各々の分担テーマを追究し、10月28日・29日に開かれた研究打ち合わせ会議で中間総括を行なった。最終年度に向かっての研究態勢はじゅうぶん整いつつある。 1.環境倫理学に直接関連する研究実績として筆頭に挙げるべきは、99年10月23日の第49回東北哲学会シンポジウム「普遍的な環境倫理は可能か」での二報告が本年度の同学会年報に加筆の上収録されたことである。環境倫理における「地域」の問題にこだわる鬼頭秀一(東京農工大・研究分担者)と「相互性」概念に着目して世代間倫理を構想しようとする小林睦(岩手大学・研究協力者)との対論が広く公開されたことは意義深い。たとえば宮坂和男(広島修道大・研究協力者)は、このシンポジウムを手がかりに論文「環境問題と情報化社会」を執筆し、論議を深化させている(『MORALIA』7号)。また川本隆史(研究分担者)は、「環境倫理」という用語が『環境白書』に登場し、消滅した経緯をたどる論文を寄稿した(裏面参照)。また桜井徹(神戸大・研究分担者)は、環境倫理の法思想史的背景を探る論考を発表している(裏面参照)。 2.哲学的人間学については、篠憲二(研究代表者)の連載論文をはじめ、科学や言語に対する哲学的反省が野家啓一(研究分担者)および清水哲郎(同)によって進められた。 3.「所有」に関しては、熊野純彦(研究分担者・2000年10月より東京大学へ転任)が独自のレヴィナス読解に基づいた解明を続けている。
|