研究課題/領域番号 |
11410011
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
上村 忠男 東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (70107829)
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研究分担者 |
今井 昭夫 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20203284)
岩崎 稔 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10201948)
西谷 修 東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (20189286)
工藤 光一 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80255950)
相馬 保夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90206673)
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キーワード | 記憶 / 歴史叙述 / 国民国家 / 国民的アイデンティティ / 戦争の記憶 / 植民地主義 / ポストコロニアル / 沖縄 |
研究概要 |
計画2年目の本年度は、「記憶術としての歴史叙述」「国民国家と集合的記憶」「戦争の記憶」という3つのトピックに分節化して研究を展開した初年度の成果を踏まえつつ、問題を地域毎により具体化した形で解明するために、日本、アジア、ヨーロッパの三部会体制でプロジェクトを進めた。日本部会は、「沖縄の記憶/日本の歴史」という標題の下、近代日本における国民的アイデンティティ形成において[沖縄」の記憶=表象が果たした役割に関する問題の解明に取り組むこととし、10月に東京外国語大学で研究会を開いて全体の方向性を確認したのち、2001年2月に沖縄で同地在住の研究者らの協力を得て「沖縄に見る日本のポストコロニアル」と題する研究集会を開催した。アジア部会では、アジア太平洋戦争と植民地主義の記憶をテーマとし、日本軍占領下のインドネシアに関する記憶をめぐってオランダ国立戦史資料研究所と議論を積み重ねたが、同研究所企画の展示会「日本人、オランダ人、インドネシア人-日本占領下のインドネシアの記憶」を東京外国語大学海外事情研究所が受け入れ開催したのに合わせて、2001年1月オランダ戦史資料研究所の研究者を招いてワークショップ「占領の記憶をどう描くか」を実施した。ヨーロッパ部会は、初年度に西欧とアメリカを中心に考察した「国民国家と集合的記憶」の問題を特に東欧へと拡大して検討し、3回の研究会とアジア部会と合同の1回の合宿集中討議を経て、2001年2月にチェコから研究者を招いて東京外国語大学でワークショップ「国民国家と集合的記憶II」を開催したが、ヨーロッパ研究において蓄積された知見を日本研究の議論と交錯させるべく、日本史研究者も発表者に加えて議論した。以上の研究成果は、時間的に掲載の間に合わなかった日本部会の2月の研究集会に関するものを除き、東京外国語大学海外事情研究所紀要『Quadrante』第3号(2001年3月発行)に発表される。
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