研究課題/領域番号 |
11410012
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岡崎 文明 金沢大学, 教育学部, 教授 (20117005)
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研究分担者 |
谷 徹 城西国際大学, 人文学部, 助教授 (40188371)
杉田 正樹 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (70130937)
日下部 吉信 立命館大学, 文学部, 教授 (90131309)
榊原 哲也 立命館大学, 文学部, 教授 (20205727)
須藤 訓任 大谷大学, 文学部, 教授 (50171278)
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キーワード | 超越論的哲学 / 分析哲学 / フレーゲ / フッサール / 善の優位性 / 存在の優位性 / 経験 / 意識 |
研究概要 |
本年度は、2600年の視野の中で現代の哲学は如何なる姿を呈しているかについて研究を行った。 本年度の研究概要を示す。古代哲学は「善の優位性の思想」を持ち、ヨーロッパ哲学とは異なるパラダイムを持つことが示された。これは現代では理解しにくいパラダイムであるが、現代哲学を見るひとつの基本的な視点を残している。しかし直接的にはカント哲学が現代哲学の始源となっている。カントの超越論的哲学は人間の主観性を不可避で運命的な存在・認識構造と見て、ここから認識の普遍妥当性を基礎付けた。この枠組みは以後の哲学の制約となる。現代の哲学はこの制約下にあり、共通に経験を基礎に持ちつつも2方向に分流する。ひとつは、外的経験から出発して、主観の外にある客観ではなくさりとて主観でもないところの第3の領域(言語や論理等)を拓き、これを認識の基準として認識の普遍妥当性・確実性を求めた分析哲学(フレーゲの創始)である。また、もうひつの分流は、現象学(フッサールの創始)である。これは人間の内的経験から出発して意識の始源に向かう。現代ではこの2つを典型としてその中間にさまざまな思想のバリエーシヨンが見られる。 研究成果の発表会としては、第17回哲学史研究会が「西洋哲学史2600年の帰結としての現代哲学(1)-分析哲学と超越論哲学の対話-」の主題の下で、また、第18回哲学史研究会が「西洋哲学史2600年の帰結としての現代哲学(2)-ニーチェ、現象学と現代フランス哲学」の主題の下で、開催された。ここで発表された内容は『現代の哲学-二千六百年の視野より-』(平成15年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)学術図書出版助成を申請中)の研究書に公開される予定である。また平成前年度研究成果の『西洋哲学史観と時代区分』(昭和堂)は近く刊行の予定である。 平成14年度の研究実績概要は以上である。
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