研究課題/領域番号 |
11410014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
太田 喬夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30098230)
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研究分担者 |
永井 隆則 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (60207967)
大橋 良介 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30093165)
吉積 健 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50038973)
市川 靖史 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60283694)
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キーワード | 現代美術理論 / ロシア・アヴァンギャルド / 写真 / モダニズム / フォーマリズム批評 |
研究概要 |
1976年にMITから創刊された現代美術批評雑誌「オクトーバー」に寄稿する編集者、執筆者の諸論考の詳細なデーターベース化を試み、本年度目次・執筆者のデーターベース化が完成した。作品図版に関するデーターベース化の試みもなされた。その完成は、次年度に持ち越される、目次のデータとともにホームページで公開を計画中である。 それとともに3回の研究会を持ち、日本における「オクトーバー」関係の文献の報告・収集、それに「オクトーバー」の歴史、R.クラウスとH.フォスターに関する基礎的研究の発表が行われた。その結果、70年代以降の現代美術とその理論の基本的傾向のいくつかが確認された。とくにロシア・アヴァンギャルドとその理論が70年代以降の現代美術に対して与えた影響が明らかにされた。また、ドイツの美学、ベンヤミンとアドルノらのフランクフルト学派、それに戦後の作家ボイスとキーファーの作品と「オクトーバー」派との関係が考察の対象となった。 ジャンル別では、とくに写真の理論における「オクトーバー」の特色が明らかにされた。一般的に見れば、「オクトーバー」派の諸論考は、難解な一面を有しつつも、広義の多様な西欧近代(モダニズム)(ロシアも含めた)を認めた上で、その成果としてフォーマリズム批評、精神分析、社会制度批判を重んじ、70年代の現代美術の読解にそれらを積極的に適用しようとしていることが明らかになった。
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