研究課題/領域番号 |
11410014
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
太田 喬夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30098230)
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研究分担者 |
永井 隆則 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (60207967)
大橋 良介 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30093165)
吉積 健 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50038973)
市川 靖史 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60283694)
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キーワード | オクトーバー / 現代アート / 美的モダニズム / フォーマリズム / R.クラウス |
研究概要 |
平成12年度は、平成11年度に引き続き「オクトーバー」派の文献資料と作品図版の収集を行うとともに、そのデータ・べース化を進めた。そして学内で「オクトーバー」派と現代アートに関する文献資料を必要に応じて入手できるようにした。 1、R.クラウスおよびH.フォスターの論考の読解を通して、彼らの批評理論の特色と意義とを解明した。特に20世紀初期のアヴァンギャルドに対する彼らの解釈の是非が明らかになった。 2、作品分析の際、良い意味でのフォーマリズムの継承やポストモダン的な問題意識からフェミニズムや制度批判、イデオロギー批判の有効性が評価された。反面、フランスのポスト構造主義をアート批評に適用する際のオクトーバー派の限界や弱点も指摘された。 3、オクトーバー派は、ロシア構成主義を現代アー卜および理論の理想的モデルとみなしているが、その実態を論考の読解と作品分析を通して明らかにした。 4、写真と彫刻が造形芸術ジャンルのうちで最も重要であることが指摘された。 5、「オクトーバー」研究では、しばしば美的モダニズムの克服の側面が注目されてきたが、研究会での討議を通して、他面において、ヨーロッパ近代のアートおよびアート理論との連読性も継承していることが明らかにされた。
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