研究課題/領域番号 |
11410015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森谷 宇一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70033181)
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研究分担者 |
渡辺 浩司 大阪大学, 文学研究科, 助手 (50263182)
加藤 浩 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (00204488)
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キーワード | 弁論術 / レトリック / 文芸学 / 詩学 / 自然感情 / パイデイアー / フーマーニタース / アリストテレス |
研究概要 |
1.森谷は、課題遂行のため、古代弁論術(レトリック)の専門用語を特定し、それを翻訳する作業に着手した。同時にまた、古代弁論術が現代の文芸等に対していかなる意義を持ちうるのかについて究明した。さらに、弁論術があくまでも言語にかかわる以上、弁論術の政治的、社会的役割を究明するにとどまらず、弁論術を生み出した自然的風土にも関心を寄せるべきであるとの認識から、古代の自然感情に関する研究を行った。この研究はホメロスから出発して、古典古代全般に及ぶ予定である。 2.加藤は、ヘレニズム、ローマ期の弁論術、特にキケロに関して研究を続行し、古典古代におけるパイデイアーとフーマーニタースの連続性と非連続性に注目して弁論術の内更に迫るよう努めた。また、古代11年12月23日の第5回文芸学研究会において「アリストテレスのミュートス論」と題する研究発表を行い、近く、『文芸学研究』雑誌上に掲載する予定にしている。 3.森谷と加藤は、平成12月2月17日〜3月6日、南イタリアとギリシアを訪れ、弁論術の生成にかかわった風土的条件の調査および関連文献収集に従事した。 4.渡辺は、古代ギリシアにおける弁論術の成立と展開を歴史的・体系的に研究した。とくに、アリストテレスの『弁論術』と『詩学』の内在的関係に関して究明した。 5.平成12年度もまた、平成11年度の研究を続行しつつも、個別的研究に全体的展望を与えるように努め。また、外部からの研究者の意見を聞く場を数多くもうけるとともに、未だ十分には収集されていない文献を収集し、海外の研究者との交流を深めるために、数次にわたる海外渡行を計画している。
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