研究課題
3年計画の最終年にあたる平成13年度は、平成11年度と12年度に調査した近代日本のさまざまな図案集を整理することにあてられた。具体的には、9研究施設で調査した図案集約1600点の書誌データーを整理した。また、これらの図案集のうち719点については、デジタルカメラで画像も収録した。細かい内訳は、以下の通りである。1)東京芸術大学付属図書館(約550点、画像収録:175点)、2)芸艸堂(約630点、画像収録:136点)、3)千葉大学付属図書館(約300点、画像収録:300点)、4)京都工芸繊維大学付属図書館(約50点、画像収録:22点)、5)瀬戸市(約10点、画像収録:10点)、6)緒方家(約10点、画像収録:10点)、7)東京国立博物館資料館(約25点、画像収録:25点)、8)ロンドン国立図書館(約20点、画像収録:11点)、9)セーヴル国立製陶所資料館(約5点、画像収録:1点)。これらの調査資料をもとにして、各研究分担者と研究協力者によって、近代日本の図案集の分析と研究がおこなわれた。その成果はつぎの各テーマのもとで、最終的な報告書で発表される。樋田豊次郎「失われゆく前近代的造形物への鎮魂歌としての工芸図案」、岩切信一郎「明治期の美術出版からみた図案集-芸艸堂を中心に-」、松原龍一・比嘉明子「京都における図案家と工芸家との関係をめぐって」、横溝広子「東京国立博物館および東京芸術大学所蔵の19世紀後半西洋図案集について」、大熊敏之「消費される帝国主義的世界観-近代日本におけるアジア、ヨーロッパ、アメリカの類型的イメージの感覚的受容と折衷的図案の成立」、北村仁美「セーヴル製陶所における沼田一雅の陶彫受容」、森仁史「美術学校蔵書に見る図案集-東京美術学校・東京東京高等工芸学校・京都高等工芸学校-」、土田真紀「明治期の図案集とアール・ヌーヴォー」
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