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2001 年度 実績報告書

マウスにおける事態対処方略に関する行動遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11410021
研究機関筑波大学

研究代表者

牧野 順四郎  筑波大学, 心理学系, 教授 (60015443)

研究分担者 和田 由美子  理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究員 (70302362)
富原 一哉  鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00272146)
加藤 克紀  筑波大学, 心理学系, 講師 (50261764)
森 俊之  仁愛女子短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (00301078)
キーワード行動遺伝学 / 近交系マウス・ラット / 事態対処
研究概要

欲求性および嫌悪性事態における対処行動ならびに発達的要因の影響について検討した.
欲求性事態:3種の近交系マウスについて即時小報酬と遅延大報酬の選択を検討したところ, C57BL/6とDBA/2に比べてBALB/cが即時小報酬を選択する傾向が強く, 欲求性事態において衝動的傾向が強いことがわかった. またラットにおいては, 餌対処行動に関する基礎データを得ることができた. すなわち, ラットは餌の大きさに応じて, 巣に持ち帰るか, その場で食べるかを選択するが, 採餌テストの反復はその選択に影響しなかった. この結果は, 餌対処行動の選択が採餌場面に対する慣れやそれによる不安の低減といった一過性の要因の影響を受けにくいことを示唆した.
嫌悪性場面:オープンフィールドにおける移動活動量によって選択された高・低活動系マウスは情動性に関しても分離している可能性が示唆されてきた. そこで, 高・低活動系マウスのオープンフィールド対処行動に対する抗不安薬の効果を検討した. ベンゾジアゼピン系の代表的抗不安薬であるジアゼパムは中用量において高活動系およびその基礎集団であるICRにおいて活動量を増加させたが, 低活動系では効果がなかった. しかし, 不安傾向を反映するといわれるいくつかの行動要素は低活動系においても変化した. 一方, セロトニン系に作用するブスピロンはいずれの系統でも中・低用量では効果がなく, 高用量で不動を増加させた. これらの結果は, オープンフィールド対処行動がベンゾジアゼピン-GABA系の統御下にあり, それは遺伝的支配を受けていることを示唆した.
発達的要因:一夫一婦制のスナネズミに対象にして, 嫌悪性および社会的事態における対処行動に対する雄親の影響について検討した. その結果, 敵対的相互作用における他個体への対処行動が雄親の影響を受けることがわかった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 加藤克紀, 牧野順四郎: "活動性を規定する情動因子"体育の科学. 51. 688-693 (2001)

  • [文献書誌] 加藤克紀: "情動に関わる脳の機構"心理学ワールド. 16. 13-16 (2002)

  • [文献書誌] 加藤克紀: "能動的回避反応習得に伴う近交系マウスの行動変容"筑波大学心理学研究. 24. 7-20 (2002)

  • [文献書誌] 上野優美子, 富原一哉: "スナネズミの身体的・情動的・社会的発達に及ぼす雄親の効果"動物心理学研究. 51. 19-27 (2001)

  • [文献書誌] 小貫泰広, 牧野順四郎: "採餌テストの長期的反復経験がラットの餌対処行動の選択に及ぼす効果"筑波大学心理学研究. 24. 21-26 (2002)

  • [文献書誌] 岡野恒也(監), 牧野順四郎他(編著): "社会性の比較発達心理学"アートアンドブレーン. 242 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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