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1999 年度 実績報告書

「思いやり」の互恵性と日本的自己の生成 ―暗黙の自己愛着と主観的幸福感を中心に―

研究課題

研究課題/領域番号 11410029
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

北山 忍  京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20252398)

研究分担者 唐澤 真弓  東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
キーワード自己 / 思いやり / プライミング / 援助行動 / 友人関係 / 自己愛着 / 互恵性
研究概要

本年度は、思いやり的心理傾向と対人的互恵性、及び思いやり的心理傾向と『暗黙の』自己愛着に関して3つの研究を実施し、一定の成果をあげた。まず、思いやりの互恵性仮説によれば、思いやり的心理傾向の強い人は他者に援助を行うばかりでなく、他者からも援助を受けていると予測できる。研究1では、援助・被援助行動の主観的頻度を援助のやり取りの指標として質問紙調査を実施し、仮説を支持する結果を得た。さらに研究2では、多くの友人のペアーを対象に同様の調査を実施し、研究1で見られた思いやりと互恵性の相関は、互恵性の知覚による効果のみではなく、実際の援助のやりとりに裏打ちされていることを示した。ついで、果たして、思いやりの効果はこれらの変数を統制しても見られるかを検証する。また、援助行動のやり取りと主観的幸福感との関連も合わせてみるために、その測定尺度(E.Dienerによるもの)も用いる。プライミング法による暗黙の自己愛着の測定方法の開発を目指した研究3では、名前に含まれるひらがなと名前に含まれないひらがなをプライミング刺激とし、ついで提示された評価的単語の良し悪しの判断時間を検討した。被験者のペアーを実験遂行の単位とし、同じひらがなのセットが片方の被験者にとっては名前に含まれており、他方には名前に含まれていないよう留意した。名前に含まれるひらがなに快の感情が暗黙に連合しているとすれば、これらのひらがなに次いで提示された快単語の判断は不快単語の判断に較べより速くなされるであろう。結果は、この予測に一致する方向ではあったが、有意な効果を得るには至らなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 北山忍: "文化と心についての実りあるダイアローグに向けて"認知科学. 6. 106-114 (1999)

  • [文献書誌] Kitayama S.: "Collective construction of the self and social relations: A rejoinder and some extensions"Child Development.. (in press).

  • [文献書誌] Kitayama S.,Markus H.R.: "Yin and yang of the Japanese self: The cultural psychology of personal coherence"In D. Cervone & Y. Shoda (Eds.) The coherence of personality:. 106. 766-794 (2000)

  • [文献書誌] Heine S.J.,Lehman D.R.,Markus H.R.& Kitayama S.: "Is thera a universal need for positive self- regard?"Psychological Review,.

  • [文献書誌] 唐澤真弓: "性格研究の技法 24章 文化心理学における性格研究 (pp.221-220)"福村出版. 253 (1999)

  • [文献書誌] Kitayama, S. ,& Markus, H. R.: "The pursuit of happiness and the realization of sympathy: Cultural patterns of self, social relations, and well-being. In E. Diener & Suh, E. (ed.). Subjective well-being across Cultures."Cambridge, MA: MIT Press. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2012-12-05  

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