研究概要 |
12年度(2年目)は初年度の研究成果(調査1,実験1,実験2,実験3)を踏まえ,自己制御学習に関する調査研究(調査2)と実験的研究(実験4,実験5,実験6)を実施した。 調査研究(森敏昭・石田潤が担当)では,初年度に作成した大学生の自己制御学習能力を測定するための新しい尺度(課題意識・主体性・学習方法・自己評価・計画性・自主性・自己実現の7つの下位尺度からなる)を用い,全国の7大学789名の大学生を対象に調査を実施した。この調査では,大学生の自己制御学習能力だけでなく,情報活用力,情報化社会へのレディネス,高校時代の学習法,レジリエンス(心の回復力)に関する調査も実施し,これらの要因と自己制御学習能力との関係を分析・検討した。この調査研究の成果は13年度の日本教育心理学会および日本心理学会で発表し,論文にまとめて学会誌に投稿することを準備中である。 実験的研究では,自己制御学習の認知心理学的メカニズムを調べるための実験を3つ実施した。すなわち,「マルチ・プライムの提示が意味的プライミングに及ぼす影響」に関する実験4(岡直樹が担当),「学習方法とテスト時期の予告が未知な単語の学習に及ぼす影響」に関する実験5(桐木建始が担当),「知識獲得に及ぼす学習目標の効果」に関する実験6(岡直樹が担当)の3つである。これらの実験により,種々の認知課題を遂行する際の自己制御学習のメカニズムをかなり明らかにすることができたので,この実験研究の成果は,13年度の日本教育心理学会および日本心理学会で発表し,論文にまとめて学会誌に投稿することを準備中である。
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