本研究の目的は、高齢ドライバーの安全運転適性検査の開発と再教育の可能性を検討することにある。2年目をむかえた本年度はこの目的にむけて、走行実験と危険予知能力テストおよびシミュレータを用いた実験を行い多角的に運転適性の検討を行うためのデータ収集が行われた。シミュレータの開発は実走行検査に伴う安全性、経済性の観点から種々行われてきたが、実走行との関連性はまだ十分に検討されているとは言えない。本年度行われた実験は、危険予知能力診断テストとして「予知郎(科研費補助により完成)」を使用。シミュレータ実験には、新潟通信機株式会社との共同開発によるアイカメラ装置式のシミュレータを使用した。さらに公道での実走行実験により、走行中の速度、車間距離、確認行動を録画した。被験者は若年者(30才以下)10名、中年(30-60才)20名、高齢者(65歳以上)2名であった。来年度は、今年度行われたこの実験で得られたデータ分析によりこの課題の解明が行われることが期待される。
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