研究分担者 |
谷口 高士 大阪学院短期大学, 国際文化学科, 助教授 (20249395)
藤村 邦博 大阪薫英女子短期大学, 児童教育学科, 教授
古川 義和 鹿児島短期大学, 児童教育学科, 教授 (10083388)
坂井 明子 美作女子大学, 家政学部, 専任講師 (80299247)
竹内 伸宜 神戸海星女子学院短期大学, 家政科, 専任講師 (80216853)
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研究概要 |
7月末から8月初めにかけて,静岡県磐田郡水窪町(人口4008名)に,感情意識構造(100項目),恥(60項目),自己(30項目)に関する質問紙調査に入った。調査対象地区は神原区,西浦区であった。これに先立って,比較の目的で,自己に関する質問紙調査を大学生対象におこなった。 調査は対象地区全戸訪問で,60歳以上対象者には調査員が質問紙を読み上げながら回答を求める形式で,また60歳以下についても可能な限り読み上げて回答を求める形式で調査した。回答総数は,感情意識構造調査318,内有効回答243,恥の意識調査282,内有効回答225,自己に関する調査271,内有効回答231であった。2月から3月にかけて,都市部サラリーマンと主婦を対象とした,上記3種類の調査を郵送形式でおこなった。現在まで回収した用紙は全766通であり,有効回答は感情意識構造が644,恥が660,自己が706である。大学生を対象とした自己に関する調査は,男子91名,女子167名が分析対象となった。 3月に,同地区対象の,人間の生き方に関する基本調査を,聞き取り形式でおこなった。この調査は,原則50歳以上の対象者に対しておこなわれた。調査項目は聞き取りを含めて75項目,それぞれの大項目に対応した13の短い物語に対する回答で,全134名の対象者に戸別訪問でおこなった。それぞれの結果は現在入力中であり,また主婦とサラリーマンのデータが未だ返送されてくる過程にあって,統計的な比較は成されていない。唯一分析が終了した大学生のデータから判明した事実は,男子大学生が利己主義的で依存心が強く,社交下手で人間不信がきつく,社会的関心が欠如していることが明らかになった。逆に女子学生は以上5点において男子学生とは反対であり,従来考えられていた利他的な男性,利己的な女性というジェンダー像は,完全に逆転していることが明らかになった。
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