研究課題/領域番号 |
11410047
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三隅 一百 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (80190627)
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研究分担者 |
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学部, 助教授 (90196288)
小林 淳一 福岡大学, 人文学部, 教授 (20113243)
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
岩本 健良 金沢大学, 文学部, 助教授 (50211066)
木村 邦博 東北大学, 文学部, 助教授 (80202042)
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キーワード | 社会学理論 / フォーマライゼーション / 数理社会学 |
研究概要 |
3年研究計画の2年めになる本年度は、3回の全体研究会と日米数理社会学合同カンファレンス(6月ハワイ)参加を中心にして、以下の作業を進めた。まず、昨年度からの4つの研究班を継続し、社会学の古典的諸潮流における論点と命題の洗い直し、および各自の研究との接点探しを進めた。そして、その過程でみえてきたいくつかのテーマについて、各自が数学的な定式化を展開するための下準備的な作業にとりかかり、可能なところでは実際にモデル構築を試みた。とくにハワイでの研究報告を通した日米数理社会学者との議論は、各自の研究の進展に大きく貢献した。 関連して公表された成果(次頁「研究発表」)としては、数理社会学と古典理論との関係に関するやや一般的な考察(高坂論文、太郎丸論文)、ブール代数による役割理論の再検討(三隅論文)、合理的選択モデルによる所得分布のジブラ法則説明の試み(浜田論文)、所得分布モデルによる階層研究の基礎概念(機会の平等/結果の平等/高率)の整理(与謝野論文)、ネットワーク分析による集団構造と信頼との関係の吟味(辻論文)、等がある。その他のテーマとして、理解社会学的アプローチ、社会分業論、社会紛争論、ゴフマン理論、差別論、等についても問題の整理と定式化を進めてきたが、まとまった成果をみるには至っていない。 その他、本年度の新たな試みとして、フォーマルな手法による社会学的に著名な事例やデータの再分析にも着手した。ネットワーク手法によるハンターのコミュニティ権力構造データの復元、比較ナラティブ法による「蜂の巣城紛争」の理解社会学的な再分析、等である。
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