研究課題/領域番号 |
11410048
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
神田 嘉延 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (40117495)
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研究分担者 |
玉井 康之 北海道教育大学, 釧路分校・教育学部, 助教授 (60227262)
枚田 邦宏 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50222245)
狩野 浩二 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (90280304)
恒吉 紀寿 北九州市立大学, 文学部, 助教授 (20285456)
朝岡 幸彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60201886)
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キーワード | 環境問題 / 自立的発展 / 離島・へき地 / 赤土問題 / 市町村の環境政策 / 環境教育 / 社会教育 / 環境保全意識 |
研究概要 |
本年度では昨年に引き続き沖縄本島の読谷村の環境問題と地域の自立的発展ということで、調査を行った。地域の自立的発展ということで、軍用地の問題やその地代の問題がマイナス要因になっていることが実証できた。 さらに、沖永良部の離島調査では、和泊町字国頭の個々の農家に入って、むらづり日本1になった地域構造を環境保全農業の確立と地域の子育て、生活・生産をとおしての地域の協同のネットワークを自立発展との関係で実証的に明らかにした。 字国頭では、伝統的に国頭小学校を中心としての地域の教育運動があり、学校の授業や行事が地域と深くかかわってきた特徴があり、地域の行事についても学校を中心に展開されきたという歴史がある。地域の歴史の苦難な歴史が学校の校庭にある塩干しの母の像に典型にみられるように、地域の子どもたち伝えられている。 字国頭での石川里芋、ゆり、キクの栽培など地域にあった作柄を地域的に定着させてきたことと、個々の農家の経営の自立性との関係で調査した。ここでは、共同出荷体制ではなく、個々が市場に対応して、個々の経営の意志決定を尊重していくという流通のしくみををつくってきたのである。この伝統は、戦前のゆり騒動ということで、一元集荷体制に反対し、個々に仲買をとしてのゆりを販売してきたという地域の特殊性が、現在の個々の農家の経営のなかに反映されている。地域の自立的発展ということをみていくうえで、農産物市場に、個々の農家の自立的対応が実証できた。出生率全国1という和泊町であるが、個々の農家の市場との自立的対応ということと、地域の子育て、生活・生産をとおしての協同のネットワークがつくられていることが実証できた。
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