研究課題/領域番号 |
11410050
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
細井 雅生 高崎経済大学, 地域政策学部, 助教授 (40238746)
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研究分担者 |
吉川 杉生 中部学院大学, 短期大学部, 助教授
大宮 登 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (80113281)
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / 緊急一時保護 / DV防止法 / 児童虐待 / 配偶者暴力相談センター / 母子生活支援施設 / 女性相談センター / 広域利用 |
研究概要 |
本研究は、いわゆる、ドメスティク・バイオレンス(DV)、特に夫等による妻、および子どもへの精神的・身体的暴力の実態を把握すると共に、緊急的避難母・子への支援の実態と課題を検討することが主要なねらいである。本年度は、一昨年度に実施した実態調査結果のクロス分析、および昨年度実施した、実績ある施設のヒアリング調査の結果を総合的に分析し、報告書を作成した。報告書では、本年度中に施行された「両性間の暴力の防止に関する法律」への対応等をふまえ、併せて当該課題への実践的検討課題を提起している。報告書では実態調査の主要項目である、利用者の暴力経験の実態、暴力内容についての意識の実態の分析と、家庭内暴力対応施設としての母子生活支援施設の機能の検討という視点から、母子の脅え、不安、疲労等を軽減せしめるための条件として、「夜間の職員体制」、「不法侵入への対応」等の他、「保育室」、「居室」等の整備の現状等の実態と課題を、設置形態別(公設公営、公設民営、民設民営)、認可定員別(20世帯以上、未満)、地域ブロック別等で検討を試みた。その結果、職員配置数、夜間支援体制(専門支援職員の管理宿直配置の有無)に影響する認可定員別に当該課題に対応できる施設機能に有意な差がみられるにもかかわらず、現実的には十分に機能が望めない施設でも緊急避難に対応せざるをえないという実態が明らかとなった。また、外部侵入者への配慮等、ハード面では設置形態による差はほとんどみられず、8割が不安を感じている。本研究のデータは、そもそも、DV対策施設ではない母子生活支援施設においては、その利用者には、緊急避難へのニーズの外、一時的な生活の立て直しというニーズをもつ場合、精神的あるいは知的課題への専門的支援というニーズをもつ場合きわめて多様な層がみられ、今後、他機関との連携も含め、当該施設の機能の検討が必要であることを示唆するものである。
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