研究課題/領域番号 |
11410061
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
菊池 美代志 帝京大学, 文学部, 教授 (90086843)
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研究分担者 |
江上 渉 成蹊大学, 文学部, 助教授 (50213533)
池 周一郎 帝京大学, 文学部, 助教授 (20246060)
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キーワード | 都市居住 / インナーエリア / ポストバブル / コミュニティ / パネル調査 |
研究概要 |
ポストバブル下での都市市街地の変貌を明らかにするべく、名古屋市中村区、三鷹市、大垣市のなかの特色のある「学校区」をとり上げて現地調査をおこなってきた。本年度は現地の住民を対象者とし、郵送・留置法によって質問紙調査を実施した。その回収率は名古屋市で169/251=67.3%、三鷹市で158/196=80.6%、大垣市で346/412=83.9%であり、かなり高い回収率をえることができた。 調査項目は、家庭、職場、教育、余暇利用、交際、集団参加、施設・機関の利用、福祉、環境、外国人、地域移動歴、家族構成、職歴・学歴・住宅などである。集計結果をみると、都市の住民は不況下での市街地の変貌に強い関心を寄せていて、特に少子化、高齢化、若い人のマナー、後継者の喪失、商店廃業などの「町の衰退」に深刻な危機意識をいだいていることがわかった。他方で、ほとんどの住民が自治会や自主防災組織などの住民組織に加入し、また各種の親睦行事や資源リサイクルのような地域活動にも参加していて、住民たちが共助と自助によって地域の秩序を維持していることが明らかである。今後はこうした意識と参加の実態を、住民を各層に分けて分析する。 今回の名古屋と三鷹の調査では、平成元年度に調査できた対象者を再調査している。都市では移動性が高く、パネル調査は困難だといわれてきたが、実施してみるとかなりの住民が残留していた。今後はパネルの視点から、この十年間の住民と地域の生活の変化を明らかにしたい。また、比較対象群として金沢や前橋などの市街地の変化に関するデータも収集したので、その比較分析も行なう。
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