研究課題/領域番号 |
11410068
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉野 公喜 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (80092659)
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研究分担者 |
原島 恒夫 筑波大学, 心身障害学系, 講師 (70262219)
加藤 靖佳 筑波大学, 心身障害学系, 講師 (10233826)
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キーワード | CAPD / ADHD / 聴覚学習 / 特定的学習障害児 / 両耳分離聴 |
研究概要 |
本研究の目的は、中枢神経系に何らかの機能的な障害があり、特別な聴覚学習支援を必要としている学習障害児(Children with Central Auditory Processing Disorder : CAPD)に対して、言語音の時間的処理を高めるための「適応型聴覚学習支援プログラムの開発」にある。 本年度は、パーソナルコンピュータを用いて、日本語有意味単語(2〜3音節単語)及び無意味単音節の時間構造を変数とした「2 up 1 down」方式の適応型聴覚学習支援プログラムを試作し、末梢性の内耳性感音難聴児、特定的学習障害児及び中枢性聴覚機能障害が疑われる学習障害児に予備的な聴覚学習を試みた。周波数情報の知覚に困難を有する内耳性感音難聴児の学習成績と比較し、特定的学習障害児及び中枢性聴覚機能障害が疑われる学習障害児にあっては、有意味単語であっても時間情報の50ms程度の「ひずみ」に対してさえ「聴覚的修復」に著しい困難さを呈していた。 時間構造の変数の検討と「2 up 1 down」に「1 up 1 down」を加えての「適応度」の検討が課題となった。加えて両耳分離聴課題(dichotic listening task)において、大きな左右耳差のみられたADHD児(Children with Deficit/Hyperactivity Disorder)の心理学的アセスメントと聴覚機能の評価及び聴覚学習プログラムの実施を試み、特定的学習障害児及び中枢性聴覚機能障害が疑われる学習障害児との比較検討を行った。 本研究に関しては、日本特殊教育学会、日本生理心理学会、日本心理学会で発表した。
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