研究分担者 |
平田 利文 大分大学, 教育福祉学部, 教授 (20173239)
大塚 豊 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00116550)
馬越 徹 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (60000030)
服部 美奈 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (30298442)
杉本 均 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50211983)
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研究概要 |
本研究は東アジアおよび東南アジア地域の国民教育におけるグローバル・インパクトを,中等教育カリキュラム改革に焦点を当てて明らかにすることを目的とする。初年度に引き続き,研究打ち合わせを開き,研究枠組みの見直し,外国調査の実施および方法についての協議を行った。外国調査は8月にタイと中国,11月にインドネシア,1月にマレーシア調査をそれぞれの分担者が実施した。本科研分担者・協力者を中心に2000年7月には日本比較教育学会で,また同年8月には日本教育学会でもラウンドテーブルを企画した。前者は「東南アジアの教育における『ローカリゼーション』-グローバル化時代の教育を読み解く視点」というテーマで,地理的に近接する南タイ,マレーシア,インドネシア(西スマトラ)の地方分権化,高等教育,イスラーム教育を取り上げ,ローカライゼーションとグローバル化の問題を議論した。後者は「グローバル・インパクトと教育改革-地域の言語・文化と越境性を考える-」というテーマで,グローバル・スタンダードの点で明白な英語とIT以外に,国家・国境をこえる要素に注目し,在外華人(華語),イスラーム(アラビア語),ラテンアメリカ(スペイン語とカトリック)を取り上げて議論した。本科研は中等教育カリキュラム改革を中心に比較を試みようとしたが,グローバル・インパクトについては各国・各地域において多様な受け取られ方と対応がみられる。韓国では教育の多様化と自律化が掲げられ,中国ではカリキュラム管理の改革が進められている。タイとインドネシアでは教育の分権化が,マレーシアではコンピュータ化や情報化に重点が置かれている。グローバル・インパクトを契機とした地方の活性化(=ローカリゼーション)が進むとともに,低められた国境をこえて様々のネットワークが教育に影響を与えている。
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