研究課題/領域番号 |
11410079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 武蔵野女子大学 |
研究代表者 |
潮木 守一 武蔵野女子大学, 現代社会学部, 教授 (80022391)
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研究分担者 |
浜野 隆 武蔵野女子大学, 現代社会学部, 講師 (00262288)
岩田 弘三 武蔵野女子大学, 現代社会学部, 助教授 (70176551)
中嶋 充洋 武蔵野女子大学, 現代社会学部, 教授 (50180295)
北條 英勝 武蔵野女子大学, 人間関係学部, 講師 (20308042)
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キーワード | ボランティア / 大学教育 / 大学生 / 大学生活 / 大学と地域社会 |
研究概要 |
本年度は、第1に、学生のボランティア活動への参加意欲や活動の実態に関する調査・分析を、第2に、学生のボランティア活動の事例調査・分析を行った。 (1)学生を対象としたアンケート結果から明らかになったのは、学生たちはボランティア活動をやってみたいという意欲はかなり高いものの、実際に行動するまで至った学生は少ないという点である。行動にまで至る学生が少ない要因はいくつかある。まず、ボランティア活動や学習会に関する情報を十分に入手できていないということがあげられる。学生たちは大学内でボランティア学習会などの情報を得たいと思っているが、現状では大学内では十分な情報提供が行われているわけではない。学習会についても、学外まで出かけていくよりも学内で開催される学習会のほうが参加しやすいという。この結果は、学内における情報提供および学習会開催などの重要性を示唆している。また、一部の学生のからは、アルバイトやサークル活動等の忙しさがボランティア活動の抑制要因となっているという点も指摘された。アンケート調査を分析した結果、過去にボランティア経験のある学生は、ボランティア活動に対する意欲を持続させていくし、関心領域をさらに広げていくことが多いことが明らかになった。これは、ボランティア活動への第一歩を踏み出すことの重要性を示唆している。 (2)事例分析では、聴覚障害学生の講義受講を支援するボランティア活動、コンピュータが苦手な人々に対する情報リテラシー支援活動、発展途上国の森林保護や教育環境改善に対する支援などを事例として取り上げた。これらの事例分析からは、ボランティア活動に参加したことにより、学生の内面にさまざまな変化が起こっていることが明らかになった。また、これらの事例に共通していえることは、ボランティアの需要と供給の調整、需要側との十分な対話、周囲の人々の支援などが重要であるということである。今後はこういった点への働きかけを検討していくことが必要である。
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