研究課題/領域番号 |
11410083
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
鐙屋 真理子 (一見 真理子) 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (20249907)
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研究分担者 |
坂野 慎二 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (30235163)
斉藤 泰雄 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (30132690)
佐々木 毅 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (90099804)
中島 千惠 龍谷大学, 文学部, 助教授 (20309107)
杉本 均 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50211983)
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キーワード | アメリカにおける親の学校参加 / イギリスにおける学校参加 / ドイツにおける学校参加 / フランスにおける学校参加 / オーストラリアにおける学校参加 / 韓国における学校参加 / 中国における学校参加 / スウェーデンにおける学校参加 |
研究概要 |
1.平成13年度の研究活動内容 (1)研究総会(計2回):第1回(7月):年間計画。海外調査報告(ドイツ、フランス)、国内調査報告。/第2回(12月):海外調査報告(メキシコ)。親の学校参加・国際比較の視点についての討論、最終報告書とりまとめ方針。 (2)海外現地調査 ドイツ(6-7月×1名)、メキシコ(9月×1名)、中国(1月×1名)。 (3)日本教育学会、課題研究シンポに参加し、国内の学校参加関係者との交流(8月)。 (4)UNESOO-NIER国際セミナー「教育におけるパートナーシップ」の組織と参加(9-10月)。 (5)国内調査 滋賀県、福岡市、岐阜県内の事例について行う(随時)。 (6)最終報告書の執筆、編集(1月〜3月)。 2.得られた知見諸外国の親の学校参加については、「決定参加モデル」「パートナーモデル」の双方が二項対立的に存在するのではなく、両者のどちらに重点があるかはその国・地域の発展情況による違いがある。決定参加機関である学校会議(審議会、評議会、理事会、運営委員会)の運営の仕方にも多様性がみられ、ドイツでは、教師の仕事に親や地域住民が関与しないかわりに、決定において親ばかりか生徒までが投票権を持つ国から、フランスなどのように親団体が地方の教育政策決定参加をする事例までみられた。また以上とは対照的にアメリカのように「教師としての親」の学習・訓練を通して家庭と地域の資質を高める、とされる場合もあった。また、開発途上のアジア・ラテンアメリカの諸国では親の参加自体がまだ新しい経験として上から奨励される段階にあり、政府・教師が与える教育から「教育への参加」の文化形成への転換が徐々にはかられようとしていることも明らかとなった。教師・学校がその専門性をよりよく担保しながら、親とのパートナーシップを築くことは、子どもの学習権・発達権の保障にとって必要なことで、参加を通して親のエンパワーメント、ケァがますます重要となっていることが確認でき、これらは我国における参加のあり方のみなおしに直結できるものである。
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