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1999 年度 実績報告書

遊牧社会における生態資源の持続性に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11410084
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

佐藤 俊  筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (00114497)

研究分担者 伊藤 太一  筑波大学, 農林工学系, 助教授 (40175203)
安仁屋 政武  筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
太田 至  京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
立入 郁  筑波大学, 歴史・人類学研究科・日本学術振興会, 特別研究員(PD)
キーワードトゥルカナ / レンディーレ / 市場経済 / GIS解析 / 保護区政策 / 民族間関係 / 遊牧生態 / 千魃と豪雨
研究概要

1.遊牧民の社会文化系の資料化: 佐藤は,ケニア北部のレンディーレとその近隣諸民族に関して,また,太田は,ケニア北西部のトゥルカナとその近隣諸民族に関して,放牧群の編成とその遊牧生態,ならびに遊牧移動に伴う民族間関係を中心的に資料整理をおこなった。その結果,1980年代の千魃と1990年代の大豪雨の影響を受けて,1970年代に比べて家畜頭数が減少傾向にあることを見いだした。さらに,治安の悪化によって,民族間の家畜の略奪が頻発したことも判明した。
家畜市場をみると,道路の整備されたトゥルカナランド方面が急激な市場経済化の波をかぶって,家畜の生産者価格が高騰している。逆に,インフラ整備の遅れているレンディーレランド方面では,家畜の市場取引が成立しにくい状態に陥っている。
従来,遊牧経済は,千魃による被害だけに着目されていたが,豪雨による被害の方が大きいのではないかと,新たな知見が得られた。
2.土地利用の行政処置: ケニアの遊牧圏には国立公園や動物保護区が多く設定されている。密猟と保護区の維持管理を担っているKWS(Kenya Wildlife Service)は,治安の維持と遊牧生活の安定化を視野に入れた新たな管理政策を展開しつつある。従来は,野生動物の保護を主目的にして一定地域を排他的に囲い込むことが行われていたが,近年は,家畜や牧民の利用を許しつつ,保護区を管理するという,住民の協力を重視した政策をとるようになってきた。
3.遊牧生態のGIS解析: 安仁屋と立入は,佐藤の発表したレンディーレのラクダ移動に関する資料に着目して,GISとりモートセンシングによる解析モデルを構築した。それは,降雨量,植生,水場,地形などをマッピングして,そこにラクダの遊動を位置づけて時系列的な解析を行うモデルである。この基本的解析モデルの構築によって,今後得られる新たな遊牧移動の解析が一段と進展するめどがえられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 佐藤 俊: "レンディーレ社会におけるねだりの社会的制御"歴史人類. 28. 3-42 (2000)

  • [文献書誌] 立入 郁: "北アフリカ乾燥地の干ばつ頻度分布の推定"第13回環境情報科学論文集. 13. 121-126 (199)

  • [文献書誌] 立入 郁: "GISとりモートセンシングを用いた遊牧移動と生態的条件の関連性の評価:北ケニア・レンデイーレランドにおける例"アフリカ研究. 印刷中 (2000)

  • [文献書誌] 立入 郁: "北アフリカにおける天水農地の分布と雨季の降水量・可能蒸発散量の関連性"ランドスケープ研究. 印刷中 (2000)

  • [文献書誌] Naito,N.,T.Ito,A.Maita &H.Miyagawa: "Environmental awareness among ecotourists who panicipated in sea-kayak tours at Iriomote"Proceedings of IUCN/WCPA-EA-3 Seoul Conference. 1. 358-365 (1999)

  • [文献書誌] Shiratori,K.& T.Ito: "Motorized access control as a wildland recreation managemen tool: Access change and visitor behaviors at Daisetsuzan"IUFRO Proceedings. 3. in press (2000)

  • [文献書誌] Dhakal,A.M.,M.Amada & M. Aniya: "Landslide hazard mapping with the application of GIS in the Kulekhani watershed,Nepal"Mountain research and development. 19. 3-16 (1999)

  • [文献書誌] Park,S.,K.lwata & M.Aniya: "Analyses of the natural environment and preferred sites of the Dezukuris and their abandoning process in Shiramine,Japan,by geographic information systems and sensing"Science Reporis. 20. 19-32 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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