研究分担者 |
伊藤 太一 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (40175203)
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
平野 聡 筑波大学, 歴史・人類学系, 助手 (60344842)
立入 郁 長崎大学, 工学部, 助手 (30336185)
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研究概要 |
1.遊牧民の社会文化系の資料化:1999〜2000年にかけてケニア北部地域は非常に厳しい早越にみまわれたと同時に,民族間の家畜略奪の争いが激化し,放牧地の確保が困難になった。そのために,トゥルカナは,その北部に住むダサネジチやニャンガトムとの抗争を避けるために,西部のウガンダに侵入した。国境をまたぐ移住は,トゥルカナ人の国会議員が交渉におもむき、ウガンダ政府の許可を得る形で解決が試みられた。この事態は、現在のトウルカナの資源利用を考えるときに、外部世界との関連が無視できないことを示している。第一には、外部から持ちこまれる自動小銃が、この地域の人ぴとのあいだに大量に出回っていることが民族間の争いに拍車をかけている。第二に、国境が確定されて人々の移動が制限されたことによって、国家による政治的介入が人々の土地利用につよく影響している。 2.土地利用の行政処置:オーストラリアの国立公園など保護地域の管理に関して,アボリジニの文化がビジターセンターの展示や解説活動で重視されるだけではなく、カカドゥやウルルなどの国立公園の管理委員会においてアボリジニの委員が中心的役割を果たしていることが明らかになった。 3.遊牧生態のGIS解析:(1)グリッド型のOEM (Digital Elevation Model)を用いた従来の地形計測と分類にかわって,10mの等高線をディジタル化(ディジタル等高線)したデータを使い地形計測と分類を行う手法を開発した。 (2)レンディーレランドに関して,2000年に地球観測衛星から収集された画像データを基に広域基盤地図データを作成した。また、同地域において1970年台初頭から進んでいる遊牧民定住化を空間的に捉えるため、1956年,1988年,2003年の空中写真を経時的に空間解析し,空間基盤を飛躍的に向上させた。 (3)ケニア北部における旱魃モニタリングを、西アフリカ・マリのシステムと比較した結果,前者の特徴として,降水量、穀物価格、子どもの栄養状況などが組み込まれていることが判明した。
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