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2001 年度 実績報告書

国勢調査・法制度に見られる人種・民族分類の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 11410087
研究機関茨城キリスト教大学

研究代表者

青柳 真智子  茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (00089278)

研究分担者 合田 濤  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00106593)
上橋 菜穂子  川村学園女子大学, 教育学部, 専任講師 (60255916)
石井 溥  東京外国語大学, AA研, 教授 (90014513)
佐々木 史郎  国立民俗学博物館, 民俗学研究開発センター, 助教授 (70178648)
瀬川 昌久  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00187832)
キーワード国勢調査 / 法制度 / 人種 / 民族 / 言語 / 先住民 / 移民 / 多民族国家
研究概要

本研究は研究代表者を含め19名の研究者によって、平成11年度から13年度までの3年間にわたり文献および実地調査によって行われた。研究分担者は毎年春、秋の2回東京で研究会を開催し、それぞれの地域における当該事項の発表を行い、相互の理解を深める努力を行った。幸いにも2000年、ないし2001年を国勢調査年としている国が多く、それらの国々では最新の資料を収集することができた。
国勢調査上で人種・民族の分類は、国家が当該国家内の集団に対して行う国家的名付け行為であるが、その方法は予想以上に多彩であった。多数派集団と典なる自国内の異なる文化を持つ集団、ないしは異なる身体形質を持つ集団を分類するに当たって、ほとんど関心を持っていないように思われる国もあれば、またきわめて大きな関心を抱き、毎回の国勢調査ごとにその妥当性を検証している国もあった。その分類方法も、以前はある種の器具を用いて身体的特徴を計測するというきわめて「客観的」な基準で分類していたような事例もあれば、調査員の主観的な印象で分類した事例もある。現在ではほとんどの国で自己申告をとっているようであるが、そのような場合複数の集団に帰属が可能な者にとっては、分類は非常に政治的意味合いを持つものとなる。こうした研究を通じて、人種・民族は、世間で考えられているような確固たる基準によって分類される集団ではなく、著しく状況的・流動的なものであることが明らかになったと考えている。またアメリカ合衆国やイギリスでは今回から複数の集団への帰属を記入する欄を設けた。これが人口構成の点で、また複数民族間のポリティクスの上で今後どのような影響を持つようになるか興味ある点であろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 佐々木史郎: "近現代アムール川下流域と樺太における民族分類の変遷"国立民族学博物館研究報告. 26-1. 1-78 (2001)

  • [文献書誌] 瀬川昌久: "中国南部におけるエスニック観光と「伝統文化」の再定義"東北アジア研究. 3. 85-112 (1999)

  • [文献書誌] 竹沢泰子: "アメリカ合衆国におけるアジアとヨーロッパ"岩波講座 世界歴史. 23. 111-134 (1999)

  • [文献書誌] 笠原政治: "「認識台湾」の台湾原住民に関する記述"台湾原住民研究. 5. 132-149 (2001)

  • [文献書誌] 大塚和夫: "Group Identities and Ethnicity in the Northern Sudan"The Japan Center for Area Studies. 163-172 (2001)

  • [文献書誌] 大塚和夫: "近代・イスラームの人類学"東京大学出版会. 287 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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