研究課題
基盤研究(B)
本年度においては、研究目的の達成をはかるための前提として、すでに焼付を終わっている末吉家史料を製本し写真帳としたうえで(500冊分)、研究補助者2名によって目録作成作業を進めた。撮影史料の一点一点について、写真帳番号・同ページ数、年代、表題(史料名)、差出・受取、形態、点数などをノート型パソコンを使って入力し、これまでに写真帳にして約半分ほどの入力作業を終了した。本年度は、この目録入力を主な作業としたので、末吉家史料を利用しての具体的な研究成果は出せなかったが、大阪に出張して、末吉家および同家の所在する平野郷に関する史料の所在情報の収集や、若干の史料調査に当たった。具体的には、大阪市史編纂所を訪れ、同所に架蔵されている平野郷杭全神社文書(写真帳)について、その内容を調査した。また、本科研が研究対象としている西末吉家とともに平野七名家といわれた、東末吉家や辻葩家の史料について、地元に所在していることなどの情報を得ることができた。来年度は、引き続き研究補助者による目録入力作業を継続し、全体を完了させるとともに、点検作業を経て目録編集の準備にかかりたい。これに並行して、地元に所在する関係の史料の調査・撮影を行なうとともに、研究分担者で幕政・幕領関係、外交・貿易関係、商業・金融関係、都市・町方関係といった方面からの研究に本格的に着手したい。