研究課題
本年度は、昨年度に引き続き研究補助者2名によって、500冊余におよぶ末吉家史料写真帳の史料1点1点について、写真帳番号・同ページ数、年代、表題(史料名)、差出・受取、形態、点数などを、ノート型パソコンを使って入力する作業を行ない、一応の終了を見たが、その点数は9500点余の膨大な量に昇ることが判明した。入力作業にともなって、焼付をしていない史料の存在することが判明し、それらを焼き付け写真帳として製本した。また、未撮影史料のあることもわかり、大阪市平野区の末吉家に出張し調査・撮影を行ない、これについても焼付・製本し、写真帳は新たに34冊が加わった。最終年度である来年度は、なお若干存する未撮影史料の撮影に当たるとともに、この分と新規写真帳34冊分の史料の入力を研究補助者により行なう。そして、研究分担者により、入力済み史料の点検や体裁の統一等の作業を行ない、目録として刊行する。一方、末吉家史料を用いての研究面については、本年度は2回の研究報告会を開いた。第1回には、連歌を中心とした文芸関係史料についての報告、第2回には代官末吉氏の幕府勘定所への年貢勘定目録を主に利用した平野庄および河内幕領の年貢収取についての報告が、それぞれ行なわれた。来年度も引き続き研究報告会を開催し、多方面からの末吉家史料の分析・検討を試み、それらの成果を報告書に掲載する予定である。