研究課題
ティムール朝、ムガル朝、オスマン朝、シャイバーン朝以下のウズベク諸王朝、ジャライル朝、カラ・コユンル朝、アク・コユンル朝、サファヴィ朝等、ポスト・モンゴル期の諸王朝についてはペルシア語史料をはじめとする西アジア諸語史料が数多く存在する。従来、これら諸資料は西アジア史、中央アジア史の立場から西アジア、イスラムの常識でその字面が読まれ、各王朝史が研究されてきた。こうした諸研究の批判の上に立ち、本年度の研究で以下のことが明確にされた。1.ポスト・モンゴル期の諸王朝はモンゴル系・チュルク系王族と魔下の遊牧諸部族を支配者とする部族連合国家とその継承国家であり、まず、中央ユーラシア遊牧国家史の立場から西アジア諸語史料の字面の奥を刳り出してかからねばならない。従来の研究は根本的に検証しなおさねばならない。2.これら諸王朝の中核を構成したのは開化、開明した王族と王族の姻族をはじめとする擬制家族である。3.モンゴル帝国の諸制度はポスト・モンゴル期の諸王朝に数多く継承された。モンゴル帝国が採用した命令文、行政文書システムは直接、間接にポスト・モンゴル期の諸王朝に受け継がれている。
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