研究課題/領域番号 |
11410110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 真由美 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30186415)
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研究分担者 |
日高 貢一郎 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (30136767)
久野 マリ子 国学院大学, 文学部, 教授 (90170018)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
岸江 信介 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90271460)
友定 賢治 広島文教女子大学, 文学部, 教授 (80101632)
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キーワード | アスペクト / テンス / ムード / 西日本諸方言 / 極性 / 存在動詞 / 文法化 |
研究概要 |
(1)アスペクトと動詞の語彙的意味ならびに他の文法的カテゴリーであるテンス、ムード、ヴォイス、極性の相関性を視野に入れた1000項目にわたる調査票を作成した。 (2)まず、存在動詞「オル」の文法化による3項対立型アスペクト体系をもつ西日本諸方言の実態の調査を行ない、この結果を報告書として作成した。 (3)東北諸方言、八丈方言、京阪方言等の調査も実施した。これらは、2項対立型のアスペクト体系をもつ方言であるが、存在動詞「アル」「イル」「オル」のどれを文法化させるかで異なっている。存在動詞「アル」の文法化による3項対立型のアスペクト体系をもつ紀伊半島南部諸方言の実態も調査した。この結果は来年度の報告書として作成すべく、現在整理中である。 (4)京阪方言ではアスペクトと待遇性(あるいは感情・評価性)とがからみあっているため、新たな調査票を作成し、現在調査を実施中である。 (5)以上の調査により、沖縄を除く日本各地の方言は、アスペクトの観点からは、3項対立型か2項対立型かに2分類できること、さらに存在動詞「オル」「イル」「アル」のどれを文法化させるかによって3分類できることが明らかになった。また、西日本諸方言のアスペクト・テンス体系は相対的に安定しているが、その他の地域では変化のただなかにあり、その際には否定のアスペクト・テンス体系が変化を先取りしてゆくことが明らかになりつつある。
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