研究概要 |
平成14年度は次の成果をあげた。 (1)外来語データベースの作成 外来語用例カードを用例データベースに入力し、入力を完了した。データベースの入力用例数は延べ132,907例、作品数1281点となった。 (2)データベースの校正 データベースの内容と用例カードの底本とを比較してデータベースを校正し、出版年、ページ、用例文の表記は必要な長さなどについて、正確なものとする作業を13万3千例について行った。この作業は予想以上の時間を要し、現在50作品の確認を終了した。この作業を継続して、用例データベースを完成させたい。 (3)外来語史の研究 「デリケート」「タバコ」「ホテル」「コーヒー」「ビール」「リヤカー」など問題のある外来語の語史について分析を行った。また、考古学用語の外来語について考察した。 (4)外来語の母語別計量的研究の準備 50作品について、計量的分析を行う項目の情報を調査した。主要作品は以下の通りである。 『安愚楽鍋』 仮名垣魯文 (明4-明6) 『一読三歎当世書生気質』 坪内逍遙 (明18-明19) 『政治小説雪中梅』 末広鉄腸 (明19) 『新編浮雲』 二葉亭四迷 (明20-明22) 『金色夜叉』 尾崎紅葉 (明30-明32) 『牛肉と馬鈴薯』 国木田独歩 (明34) 『吾輩は猫である』 夏目漱石 (明38-明39) 『田舎教師』 田山花袋 (明42) 『雁』 森鴎外 (明44-大2)など。
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